
農地の信託解禁で、農家でない親族への権利譲渡がスムーズになります。 土地の細分化を防ぎ、やる気ある担い手に農地をまとめやすくする改革です。
こんにちは!西荻窪・吉祥寺の相続専門の文鳥、ぶん吉です(ちゅいヨ!)。
西荻窪や吉祥寺のような街に住んでいると、実家が農家でも自分は会社員として働いているという方がたくさんいます。親が大切に守ってきた田んぼや畑をどうすべきか、悩んでしまいますよね。実は今、日本の農地相続は大きな転換期を迎えようとしています。これまでは難しかった「農家ではない家族へのバトンタッチ」が、新しい仕組みで現実味を帯びてきたのです。

農家じゃなくても権利を引き継げる新しい仕組み
現在、農林水産省では、農地の管理や処分を信頼できる人に託す「信託(しんたく)」という仕組みの解禁を検討しています。
これまでのルールでは、親が元気なうちに農地を子供へ譲る「生前贈与」を行う場合、受け取る子供自身が農業をしていなければならないという厳しい制限がありました。一方で、亡くなった後の「相続」では農業をしない親族でも引き継げますが、これが原因で「誰も耕さない土地」が増えるという矛盾を抱えていました。
新しく「信託」が解禁されれば、農業をしない親族でも、生前から管理や処分の権利を法的に持つことができるようになります。これにより、将来その土地をどう活用するかという判断を、家族がスムーズに行えるようになるのです。
バラバラになる農地と耕作放棄地の大きなリスク
なぜ今、このような改革が必要なのでしょうか。背景には、日本の農業が直面している深刻な現状があります。
実は、農業経営体の数はこの20年ほどで約6割も減少しました。個人農家の約7割が65歳以上で、平均年齢は68歳に迫っています。こうした中で相続が発生すると、複数の親族に権利が細かく分かれてしまい、貸し借りや売却の話し合いがまとまらない「塩漬け」状態になりやすいのです。
実際に、2025年3月末時点の予測データでは、全国の農地の約2割にあたる106万ヘクタールで、所有者が不明だったり持ち主が近くにいなかったりする状態になるとされています。放置された土地が「耕作放棄地」になれば、地域の生産基盤そのものが失われてしまいます。
2027年度の税制改正に向けた大きな動き
この農地の信託解禁に向けた動きは、2027年度の税制改正の要望に反映される予定です。2024年の年末にかけて、政府や与党内で具体的なルールの詳細が調整されることになっています。
この改革では、信託の解禁だけでなく、相続した際に税金の支払いを待ってもらえる「納税猶予(のうぜいゆうよ)」の仕組みをより使いやすく広げることも検討されています。国を挙げて、農地がバラバラになるのを防ぎ、意欲のある農家さんへ土地を集約しようとしているのです。
認知症対策としての信託の価値
信託という仕組みのもう一つの大きな魅力は、将来の認知症などによる判断能力の低下に備えられる点です。
親が元気なうちに、信頼できる相続人へ「土地の管理や処分の権限」を託す契約を結んでおくことができます。そうすれば、万が一親の判断が難しくなっても、あらかじめ決めた計画に沿って、やる気のある農家さんへ貸し出すなどの手続きが止まることはありません。私たちのような都会暮らしの家族でも、遠く離れた実家の土地をしっかりと守り、地域のリーダーへ繋いでいくことができるのです。
仕組みだけでは解決しない課題
ただし、法律が変われば万事解決というわけではありません。東京大学の安藤光義教授は、制度の課題について次のように指摘しています。
農地は負の不動産になりやすく信託の受け手が出てくるか懸念がある。農業で高い収益をあげられるようにしなければ耕作放棄は減らせない
司法書士やFPの視点から見ても、収益を生まない土地は管理コストだけがかかる「負債」になるリスクがあります。制度を賢く利用すると同時に、その土地をどう活かして収益性を高めるか、あるいは地域の担い手へどうバトンを渡すかという、実務的な戦略が不可欠です。(ちゅい!)。
よくある疑問(FAQ)
Q1 農地を貸したり売ったりするには、どれくらいの同意が必要ですか?
A1 農地を貸し出す場合は、権利を持っている人の「過半数」の合意が必要です。一方で、農地を売却(転用を含む)する場合は、権利を持っている人「全員」の合意が必要になります。だからこそ、信託で権利をまとめておくことが重要になります。
Q2 農地バンク(農地中間管理機構)を通じた契約期間はどれくらいですか?
A2 都道府県が指定する農地バンクを利用する場合、10年から15年という長期間の契約を結ぶケースが多く見られます。一度貸し出すと長期間の運用になるため、事前の検討が大切です。
まとめと未来への提言
農地の「信託」解禁は、これまで「農業をしないから」という理由で相続対策を諦めていた家族にとって、希望の光となります。バラバラになりそうな土地を一つにまとめ、次世代や地域の担い手へ繋ぐことは、日本の豊かな食を守ることにも繋がります。
あなたの大切な実家の土地、次の世代にどう繋いでいきたいですか?
専門家としての一言(司法書士・1級FPの視点)
農地の相続は、農地法や税務の特例が複雑に絡み合うため、一般の方には非常に難解です。2027年度の改正を視野に入れつつ、ご家族が健康なうちに早めの対策を検討することが、将来のトラブルを防ぐ最善の策となります。まずは司法書士やFPなどの専門家へ相談し、現状を把握することから始めてみてください。

坂を負う人にまず寄り添い、大切な想いを明日の形へつなぐ司法書士(文鳥をこよなく愛しています)。
東京都西荻窪・吉祥寺エリアを中心に、司法書士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/民事信託士/上級相続診断士の4つの視点を持つ専門家として活動しています。
法務と資金計画の両面から、ご家族の「安心」と「納得」をワンストップでサポート。対面相談を大切にしつつ、オンラインで「東京の実家・不動産」に関する全国からのご相談にも対応しています。
相続・生前対策は、ご家族ごとの状況整理が解決への第一歩です。
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