上場廃止が過去最多?「株式会社」を辞める会社が急増している本当の理由

上場廃止が3年連続で過去最多を更新し、企業の「数」より「質」が問われる時代です。

投資ファンドと組んだ非公開化や東証の基準厳格化により、攻めの撤退が増えています。

こんにちは!西荻窪・吉祥寺の相続専門の文鳥、ぶん吉です(ちゅいヨ!)。

みなさん、「上場廃止」という言葉を聞くと、どんなイメージを持ちますか?「あの有名な会社、倒産しちゃうの?」と、ネガティブなニュースだと思ってしまう人が多いかもしれません。

でも、実は今、日本で起きているのは「もっと強くなるために、あえて上場を辞める」という攻めの動きなんです。なんと、今年の上場廃止数は128社にのぼり、これまでの過去最多(125社)を更新することが確実になっています。なぜ今、あえて「株式会社の看板」を下ろす会社が増えているのか、その意外な裏側を分かりやすく解説しますね。

倒産ではない「前向きな上場廃止」の正体

今、増えているのは「非公開化」という選択です。これは、株式市場でだれでも株を買える状態をやめて、特定のオーナーや投資ファンドだけが株を持つ形に戻ることを言います。

なぜそんなことをするのか。それは、周りの目を気にせず「素早い経営」をするためです。 上場していると、短期的な利益を求める株主や、ときには「もっと配当を増やせ!」と強く迫ってくる「物言う株主(アクティビスト)」への対応に追われてしまいます。例えるなら、大勢の乗客の意見を聞かないと進めない「大型バス」の運転から、自分たちの判断だけでスイスイ進める「スポーツカー」に乗り換えるようなものです。

実際に、エレベーター大手のフジテックは欧州の投資ファンド(EQT)と組み、ネット印刷のラクスルも米ゴールドマン・サックスという強力なサポーターと組んで、自分たちの株を買い戻しました。

また、豆蔵という会社は、2024年6月に東証グロース市場に上場したばかりなのに、すぐに非公開化を選んで世間を驚かせました。目先の利益に左右されず、人工知能(AI)などの新しい技術に大胆なお金を使う道を選んだのです。

上場を前提としない新たな成長の形が日本企業に求められている

一級FPの視点で見ても、無理をして「上場」という重い服を着続けるより、自分たちの体のサイズに合った経営スタイルを選ぶことは、とても賢い選択だと言えますね。

東京証券取引所がルールを変えた影響

もう一つの大きな理由は、日本で一番大きな株の市場である東京証券取引所(東証)が、ルールをガラッと厳しくしたことです。

2022年4月に、東証は市場の区分を「プライム・スタンダード・グロース」の3つに作り直しました。それまでの「とりあえず上場していればOK」という甘い基準を改め、「時価総額(会社の価値)」などが基準に届かない会社には退出してもらうという、厳しい姿勢を見せています。

この「お試し期間(経過措置)」がいよいよ終わります。

  • 2026年10月1日には、基準をクリアできなかった10社が上場廃止になります。
  • さらに、2027年にも基準に届かない企業が次々と市場を去ることになる見込みです。

東証のトップである山道CEOは、「会社の数が増えることよりも、会社がどれだけ新しく生まれ変われるか(変革)が大事だ」とはっきり言っています。東証自体が、見栄えのための「数」ではなく、中身の伴った「質」を重視する市場へと、大掃除をしている最中なのです。

地方の取引所に活路を見出す企業たち

「東証の基準は厳しすぎるけれど、上場は続けていたい」という会社はどうしているのでしょうか。実は今、名古屋、福岡、札幌といった地方の証券取引所に注目が集まっています。

東証ほどルールが厳しくない地方の取引所は、地元密着の企業にとって「自分たちの身の丈に合った活躍の場」として選ばれています。

  • 2020年にはわずか3社だった地方での上場数が、2025年には47社にまで急増するデータが出ています。

無理をして東京の大きな舞台に立つのではなく、地元の信頼を大切にしながら、自分たちのペースで生き残る。企業の戦い方も、多様になっているのですね。

よくある疑問(FAQ)

Q1 上場廃止になったらその会社のサービスは使えなくなるの?

A1 いいえ、そんなことはありません!今回のニュースで増えているのは、あくまで「株のやり取りを辞めるだけ」で、会社自体はむしろやる気に満ちあふれているケースがほとんどです。経営をより良くするための決断なので、サービスがもっと便利になったり、会社が長続きしたりするための前向きなステップだと考えて大丈夫ですよ。

Q2 なぜあんなに苦労して上場したのにすぐに辞めちゃうの?

A2 実は、上場すること自体がゴールになってしまい、その後の成長が止まってしまう「小粒な企業」が多いことが日本の課題でした。成長が止まったまま上場を続けるコストを払うより、一度非公開にして、体力を蓄えてからもう一度大きなチャレンジをしようと考える会社が増えているのです。

まとめと未来への提言

これまでは「上場すること=一流企業のゴール」という感覚がありました。でもこれからは、「あえて上場しない」あるいは「一度上場を辞めて自分たちを磨き直す」という選択が、当たり前の戦略になっていくでしょう。

会社にとって一番大切なのは、名前が有名であることではなく、時代の変化に合わせて自分たちを柔軟に変えていけるかどうかです。

みなさんの周りにある有名な会社が、もし「上場を辞める」と言い出したら、それはピンチだと思いますか?それともチャンスだと思いますか?(ちゅいヨ!)

専門家としての一言(司法書士・1級FPの視点)

上場廃止の増加は、日本の証券市場が健全に機能し始めた証拠と言えます。投資ファンドの活用や市場基準の厳格化は、経営陣に緊張感を与え、停滞していた企業に自己変革を促す「浄化作用」を持っています。一見すると企業の減少は寂しく見えますが、これは日本経済が「数」という見栄えを捨て、実力本位の「質」へと転換するための、避けては通れないプロセスなのです。

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