大手ハウスメーカーが地方撤退?「5000万円以上の家」しか建てられない時代の到来

大和ハウスが地方の注文住宅から撤退し、最低価格を5000万円以上に設定しました。 資材高騰と職人不足を受け、採算の取れる都市部の高額住宅に注力する戦略へ転換します。

こんにちは!西荻窪・吉祥寺の相続専門の文鳥、ぶん吉です(ちゅいヨ!)。

「いつかは庭付きのマイホームを」という願いが、今、これまでにない壁にぶつかっています。大手ハウスメーカーが「全国どこでも同じように家を建てる」というビジネスモデルを終了させようとしているからです。家を建てる側がメーカーを選ぶのではなく、メーカー側が「場所」と「客層」を選ぶ時代の幕開けです。

23道県からの撤退と拠点の集約

大和ハウス工業は、2027年4月までに新築戸建て住宅の事業体制を劇的に変更します。沖縄県と山形県を除く全国45都道府県に展開していた営業拠点のうち、北海道や東北、北陸、九州の一部など、実に23道県から事実上撤退し、新規の受注を停止することを決めました。

現在ある50の本店や支店は、東京や大阪などの都市部を中心とした13の拠点と22の営業エリアへと集約されます。撤退する地域で働いていた約200人の営業スタッフは、需要が旺盛な都市部へと再配置され、人員を倍増させて攻勢をかける計画です。

この背景には、地方での人口減少に伴う需要の冷え込みがあります。地方都市でもマンションとの競合が激しくなり、戸建て住宅で利益を上げ続けることが困難になったという厳しい現実があるのです。

注文住宅の最低価格を5000万円以上に設定

さらに驚くべきは、価格帯の大胆な絞り込みです。大和ハウスは、自由に設計できる注文住宅(規格型を除く)の最低受注額を「5000万円以上(土地代別)」に限定する方針を打ち出しました。

今後は富裕層向けブランド「MARE(マレ)」などの販売を強化し、1億円を超える超高価格帯の物件を現在の年間約200戸から2倍に増やすことを目指しています。

実は、同社の国内戸建て事業における営業利益率は、わずか1%にまで落ち込んでいます。住宅金融支援機構のデータでは、2025年度の注文住宅建設費の全国平均は4259万円と予測されており、これは2011年度から約5割も上昇しています。もはや5000万円以上の高単価商品でなければ、企業として採算を維持できないところまで追い込まれているのです。

家づくりのコストを押し上げる正体

なぜ、これほどまでに家が高くなったのでしょうか。最大の要因は、建設資材の価格高騰と、深刻な人手不足による人件費(労務単価)の上昇です。

建設物価調査会のデータによれば、2025年の注文住宅の工事原価は、10年前と比較して4割も上昇しました。かつての「どこでも、誰でも、手の届く価格で家が建てられる」という当たり前の社会インフラが、維持できなくなっています(ちゅいヨ!)。

物価高や人手不足が一段と進めば、従来のビジネスのあり方を維持・発展させるのは困難になる。住宅メーカーもどの地域でどのような価格帯の商品を供給していくか、選別する動きが広がりそうだ。

この引用が示すように、この課題は住宅業界にとどまらず、物流やサービス業など、日本全体の産業が直面している「選別と集中」の縮図と言えるでしょう。

よくある疑問(FAQ)

Q1 撤退する地域では、もう家を建てる手段がないのでしょうか?

A1  大和ハウスについては、2027年4月以降、対象の23道県で新築の注文を出すことはできなくなります。今後はリフォームやメンテナンス業務、あるいは都市部での供給に経営資源を集中させることになります。

Q2 なぜ都市部ばかりが優遇されるのですか?

A2  限られた職人と営業人員を、最も収益性の高いエリアに投入するためです。都市部は富裕層が多く、高額な住宅でも安定した需要が見込めるため、メーカーにとって効率的な経営が可能になります。

Q3 他のハウスメーカーも追随するのでしょうか?

A3 すでに業界全体で高価格化が進んでいます。競合の積水ハウスでは、2026年1月期の販売単価が5642万円に達する見込みで、すでに大和ハウスを上回る水準です。今後、他の大手メーカーも不採算エリアからの撤退や、さらなる高単価シフトを進める可能性は極めて高いでしょう。

まとめと未来への提言

国内の住宅市場は確実に縮小しています。2025年度の新規住宅着工戸数は前年度比で13%減少し、注文住宅に限ればこの10年で3割も減っています。

これからは「家を建てる場所」によって、選べるメーカーや担保される資産価値が明確に分かれる時代になります。将来その場所で家を持ち続けることが、自分や家族にとってどのような意味を持つのか、これまで以上にシビアに考える必要があります。

将来どのような資産を残したいか、今こそ真剣に向き合うタイミングなのかもしれません。

専門家としての一言(司法書士・1級FPの視点)

司法書士・1級FPの視点から見ると、住宅価格の高騰は「出口戦略」の難易度を劇的に上げます。5000万円を超える資金を投じて建てる家が、数十年後にどれだけの資産価値を維持できるかが鍵となります。

特に、大手メーカーが新築から撤退する地域では、将来的に中古物件としての流動性が低下し、資産価値が大きく下落するリスクも否定できません。また、高額な住宅ローンを組む際は、住宅資金贈与の特例など税制面での優遇措置を最大限活用しつつ、物件の将来評価を見据えた借入比率(LTV)のコントロールが不可欠です。2025年度以降の市場環境では、購入時だけでなく、相続や売却までを見据えた精緻な資金計画が、家計を守る唯一の手段となるでしょう。

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