離れて暮らす親の介護を支える「チーム作り」の秘訣

介護はプロや地域の制度を頼り、自分の仕事と生活を両立させることが一番大切です。

地域包括支援センターや会社の介護休業制度を早めに調べて、活用する準備をしましょう。

こんにちは!西荻窪・吉祥寺の相続専門の文鳥、ぶん吉です(ちゅいヨ!)。

井の頭公園の木々が色づく季節、西荻窪の静かな街並みを羽ばたいていると、ふと「実家の親はどうしているかな」と空を見上げることがあります。離れて暮らす親が一人で生活していると、元気なうちは良くても、「もし倒れたら」「急に物忘れがひどくなったら」という不安は、渡り鳥の移動のように心に重くのしかかるものです。

実際に、都内に住む50代の男性Aさんの事例を見てみましょう。Aさんは2025年4月に父を亡くされ、80代の母が北関東の実家で一人暮らしをすることになりました。実家までは片道2時間半。母はまだ健康ですが、Aさんは「いつ何が起きるかわからない。でも仕事もあるし、何から手をつければいいのか」と、止まり木を失ったような戸惑いを感じていました。

これは決してAさんだけの悩みではありません。2026年7月に発表された「2025年国民生活基礎調査の概況」によれば、65歳以上の単独世帯数は933.5万世帯と過去最高を更新しました。誰にとっても、遠距離介護はいつ舞い込んできてもおかしくない、身近な問題なのです。

まずはここへ相談!地域包括支援センターの役割

遠距離介護を一人で抱え込んで、羽を痛めてはいけません。最初の目的地は、親御さんの住む地域にある「地域包括支援センター」です。ここは市区町村が運営している高齢者のための総合窓口で、専門家の間では親しみを込めて「包括(ほうかつ)」と呼ばれています。

包括は、だいたい中学校の学区ごとに一つ設置されており、誰でも無料で相談できます。そこには、介護の段取りを組むケアマネジャーや、困りごとの聞き役である社会福祉士、健康のプロである保健師といった専門家が揃っています。離れて住んでいても、まずは電話一本入れるところから始められます。

具体的なサポートとして、まず「要介護認定」の申請を代行してくれます。これは、市役所などが「その人の体がどれくらい助けを必要としているか」を確認する健康診断のようなものです。もし助けが必要だと判定されれば、その状態に合わせた「ケアプラン(助け合いのスケジュール表)」を作成してくれます。

介護・福祉ライターの浅井郁子氏は、このようにアドバイスしています。

緊急時に1~2時間以内で駆けつけるのが難しい距離に住んでいれば、第三者に頼れる体制をつくることがより大切になる。

自分たちだけで何とかしようとせず、まずは包括というプロの拠点に連絡し、味方を増やしましょう。

社協が提供する暮らしを支える便利なサービス

包括と並んで頼りになるのが、各市区町村にある「社会福祉協議会(社協)」です。社協は、公的な介護保険だけでは手が届かない「ちょっとした困りごと」を助けてくれる、地域に根ざした非営利組織です。

例えば、以下のような便利なサービスを提供しています。

  • 見守り・安否確認:定期的に自宅を訪問したり電話をかけたりして、変わった様子がないか羽を休めるように確認してくれます。
  • 配食サービス:栄養バランスの取れたお弁当を届けてくれます。配達員が直接顔を合わせるので、安否確認も兼ねられて安心です。

利用料の目安として、見守りは無料から月数百円程度、配食は1食500円から800円程度と、お財布に優しいのも嬉しいですね(ちゅいヨ!)。ただし、地域によって年会費が必要だったり、サービスの内容が異なったりする場合もあります。ファイナンシャルプランナーの視点で見ても、お住まいの地域の詳細を事前に確認しておくことが、円満な生活への近道ですよ。

仕事と介護を両立させるための会社の制度

介護が始まっても、大切な仕事を辞めて翼をもぐ必要はありません。国が定めた制度や、会社独自の支援をフル活用しましょう。

まず知っておきたいのが「介護休業」です。家族1人につき通算93日まで取得でき、3回まで分けて休むことができます。休業中は原則無給ですが、条件を満たせば「介護休業給付金」として、お給料の67%(上限約35万円)が支給されます。

さらに、企業も独自の工夫を凝らしています。

  • 東京海上日動火災保険:2025年10月から、介護の準備費用として20万円を支給する制度を導入。
  • KDDI:法律を上回る、最長365日までの介護休業が可能。
  • クボタ:使い切れなかった有給休暇を、介護用に最大60日まで貯めておける。

自分の会社にはどんな「追い風」となる制度があるか、早めに就業規則を確認しておきましょう。

介護離職を選ばないことが親子の幸せにつながる

親を思うあまり「自分が仕事を辞めて、そばで見守りたい」と考える方もいるでしょう。しかし、安易に「介護離職」の道を選ぶのは、親子どちらにとっても最善とは限りません。

NPO法人「となりのかいご」の川内潤代表理事は、介護制度を利用する本質についてこう指摘しています。

子の負担が減り離職を避けられるうえ、親の生活の質も向上しやすい。

ここで大切なのは、介護休業は「子供が自分の手で直接介護をするための休み」ではない、ということです。本来の目的は、ケアマネジャーなどの専門家と話し合い、プロに介護を任せる「チーム態勢を整えるための期間」なのです。子供はプロに管理を任せる「マネジャー」役に徹することで仕事を続けられ、親も適切なケアを受けることで生活の質(QOL)を高めることができるのです。

まとめと未来への提言

遠距離介護の負担を減らす鍵は、早めの準備と「自分一人で背負わないチーム作り」にあります。上空から森全体を見渡す鳥の目を持って、地域包括支援センターや職場の制度をパズルのように組み合わせていきましょう。

まずは今週末、親御さんが住んでいる地域の「地域包括支援センター」の電話番号をネットで検索して、手帳に書き留めることから始めてみませんか?その小さなくちばしでの一歩が、将来の大きな安心に繋がります。さあ、一緒に一歩を踏み出しましょう!

専門家としての一言(司法書士・1級FPの視点)

司法書士・1級FPの視点からお伝えすると、遠距離介護では交通費やサービスの利用料など、予期せぬお金の動きが増えるものです。吉祥寺の並木道を歩くように穏やかな介護生活を送るためには、親御さんの財産や家計をあらかじめ把握しておくことが欠かせません。

また、親御さんの「脳が少しお疲れ気味」になり、自分一人でお金や契約の管理をするのが難しくなった時のために、「成年後見制度」を検討しておくのも良いでしょう。これは、信頼できる人が財産管理をサポートし、大切な権利を守るための制度です。法的・金銭的な土台をしっかり固めておくことが、家族全員が自分らしく生きるための、一番の備えになりますよ。

keyboard_arrow_up

0363040883 問い合わせバナー LINE追加バナー