親の遺言、認知症でも大丈夫?三菱UFJ信託が「遺言能力」チェックシートを導入、今からできる遺言の備え

三菱UFJ信託銀行が、慶応大学医学部と作成した「遺言能力」のチェックシートを2026年10月16日から全店で使い始めます。遺言が無効にならないために大切な「遺言能力」とは何か、ご家族ができる備えとあわせて解説します。

こんにちは!西荻窪・吉祥寺の相続専門の文鳥、ぶん吉です(ちゅいヨ!)。

今日は予定を変更して、遺言に関する最新ニュースをお届けします。ご相談でも「父が少し物忘れしてきたけれど、今から遺言を作っても大丈夫?」「母の遺言が、あとで無効だと言われないか心配」という声をよく聞きます。今回のニュースは、まさにそんな不安にかかわる内容なんです。皆さんにもわかるようにやさしく解説するヨ。

ニュースの概要:遺言作成時の「理解力」を確認する基準を新設

2026年10月15日の報道によると、三菱UFJ信託銀行は、遺言を作る人の意思や判断力、理解力を行員が確認するための基準を新しく設けました。慶応大学医学部とともにチェック項目を定めたもので、10月16日から全店で運用を始めます。

  • これまで:年齢や日付など簡単な質問で、認知機能の程度を確認していた
  • これから:認知機能に加えて、行員向けのチェックシートで本人の「遺言能力」を確認する
  • 確認する内容の例:遺言を作る時点で持っている財産の内訳や、誰にどう分けるか、その理由を本人が説明できるか

慶応大学医学部の岸本泰士郎教授は、遺言作成時の本人の意思能力や遺言内容の理解状況を確認・記録する重要性が高まっており、チェックシートは審判の際の有力な証拠にもなり得る、という趣旨のコメントをしています。

そもそも「遺言能力」ってなに?

遺言は、15歳以上であれば作ることができます。ただし、遺言が有効になるためには、作成するときに「遺言能力」があることが必要です。遺言能力とは、ざっくり言うと、自分がどんな遺言をするのか、その内容と結果を理解して判断できる力のことです。

ここで大切なのは、「認知症と診断されたら、もう遺言は書けない」というわけではないことです。作成した時点で本人が内容をきちんと理解していれば、高齢で認知機能が低下していても、裁判所で有効と認められる場合があります。逆に、遺言能力がなかったと判断されると、せっかくの遺言が無効になってしまうんだ(ちゅい!)。

遺言能力をめぐるトラブルが増えている理由

高齢になってから遺言を作る方が増え、相続が始まった後に「その遺言を書いたとき、本当に判断できたの?」と、ほかの相続人が遺言の効力を争うケースが少なくありません。

裁判では、作成当時の医療記録や介護記録、遺言の内容がどれくらい複雑か、遺言を作った経緯などから、遺言能力があったかどうかが判断されます。ところが、作成時の様子が記録に残っていないと、後から確かめるのはとても難しくなります。今回のチェックシートは、まさにこの「作成時の記録」を残すための取り組みといえます。

ご家族が今からできる3つの備え

信託銀行に限らず、遺言を作るときに大切なポイントは共通しています。

  • ①元気なうちに、早めに作る:判断力がしっかりしているうちに作るのが、いちばん確実な対策です
  • ②公正証書遺言を選ぶ:公証人が本人の意思を確認しながら作成するため、自分で書く遺言より争いになりにくいとされています
  • ③作成時の様子を記録に残す:財産の内訳や、分け方の理由を本人の言葉で説明してもらい、メモや面談記録として残しておく。必要に応じて医師の診断書をとっておくのも有効です

特に、分け方に偏りがある遺言(「長男に多く」など)は、理由を本人が説明できることが大切です。付言事項として遺言書に気持ちを書き添えておくと、家族の納得にもつながるヨ。

遺言の作成から相続手続きまで一つの窓口で

当事務所では、遺言書の文案づくりや公正証書遺言の作成サポートの際に、ご本人から財産の内容や分け方への思いを丁寧にお聴きしながら進めます。また、相続が始まった後は、司法書士の「遺産承継業務」として、遺言にもとづく不動産の相続登記や預金の解約・分配までをまとめてお引き受けできます。

よくある疑問(FAQ)

Q1:認知症と診断された親でも、遺言を作れますか?

A1:診断があるだけで直ちに作れなくなるわけではありません。作成時に、内容を理解して判断できる状態かどうかがポイントです。症状の程度によっては難しい場合もあるため、早めに専門家や主治医にご相談ください。

Q2:銀行のチェックシートを使わないと遺言は無効になりますか?

A2:いいえ。今回のチェックシートは三菱UFJ信託銀行の社内で使う確認の基準で、法律で必要とされるものではありません。ただ、作成時の判断力を記録に残すことは、後のトラブル防止にとても役立ちます。

Q3:自分で書いた遺言と公正証書遺言、どちらがよいですか?

A3:ご高齢の方や、家族間で争いが心配な場合は、公証人が関与する公正証書遺言がおすすめです。自筆証書遺言でも、法務局の保管制度を使えば紛失や改ざんの心配を減らせます。

まとめと未来への提言

大手の信託銀行が医学の専門家と組んで遺言能力の確認基準を作ったことは、「遺言は書けば終わり」ではなく、「本人がきちんと理解して書いたことを残す」時代になったことを示しています。

ご両親がお元気なうちに、遺言について話してみませんか。その一歩が、家族みんなの安心と、思いを確実に届けることにつながるヨ(ちゅいヨ!)。

専門家としての一言(司法書士・1級FPの視点)

遺言の有効性をめぐる紛争では、作成時の遺言能力の立証が最大の争点となります。早期の作成、公正証書遺言の活用、作成経緯や本人の説明内容の記録化を組み合わせることで、そのリスクは大きく軽減できます。当事務所では、遺言書作成のサポートから、相続発生後の遺産承継業務まで一貫してお手伝いし、1級FPとして財産全体を見渡した分け方のご提案も行っています。初回30分の無料相談やオンライン相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。

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