
配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合、配偶者の遺留分は半分(2分の1)と考えるのが一般的です。兄弟姉妹には遺留分がないため、配偶者の取り分が減らないからです。
こんにちは!西荻窪・吉祥寺の相続専門の文鳥、ぶん吉です(ちゅいヨ!)。
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家(2018年に死去)が残した「全財産(約13億円)を田辺市に寄付する」という遺言書について、親族側の上告を退ける最高裁の決定(2026年9月30日付)により、遺言を有効とした判決が確定したと10月2日に報じられ、大きな話題になりました。このニュースを見て、「もし全財産を他人に渡すという遺言書があったら、残された配偶者は何ももらえないの?」と不安になった方もいるかもしれません。
でも、安心してください。遺言書でどのような指定がされていても、残された配偶者には法律上守られた権利があります。SNSなどでは「取り分(遺留分)はどれくらい主張できるの?」といった議論も盛り上がっていますので、皆さんにもわかるように整理して解説します。

遺留分の仕組み
遺留分とは、残された家族の生活を守るために、法律で最低限保障された財産の取り分のことです。
たとえ遺言書に「全財産を別の場所に寄付する」と書かれていたとしても、相続人は遺留分を主張することで、一定の割合に相当するお金(遺留分侵害額)を請求することができます。
大切な権利ですので、正しい計算方法を知っておくことが重要だちゅいヨ!
配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合の計算ルール
SNS上の議論などで「遺留分は半分ではなく8分の3(37.5%)になるのではないか」という意見を見かけることがあります。しかし、配偶者と兄弟姉妹が相続人となる場合、配偶者の遺留分は「2分の1(50%)」とするのが一般的な考え方です。
なぜ「8分の3」という計算が出てくるのでしょうか。
実は、配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合、法律で定められた通常の相続割合(法定相続分)は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。全体に対する遺留分の枠(2分の1)に、この配偶者の法定相続分(4分の3)をそのまま掛け算すると「2分の1 × 4分の3 = 8分の3」となるのです。
しかし、ここが重要なポイントです!
相続人が「配偶者と子供」や「配偶者と親」の場合とは異なり、法律上、兄弟姉妹には遺留分が全く認められていません。つまり、兄弟姉妹と遺留分を分ける必要がないため、全体としての遺留分枠(2分の1)を配偶者が一人で持つことになります。そのため、配偶者の遺留分は「2分の1」のまま減ることがありません。
「兄弟姉妹には遺留分が認められていないため、法定相続分の掛け算は行わず、配偶者の遺留分は半分のままになります」
なお、2019年7月施行の改正後の民法1042条2項は「相続人が数人ある場合」に法定相続分を掛けると定めているため、条文を文字どおりに読むと「8分の3」になるのではないか、と指摘する専門家もいます。もっとも、立案担当者の解説や従来からの通説、実務では「2分の1」とされています。実際のケースでは、専門家に確認しながら進めるのが安心です(ちゅい!)。
よくある疑問(FAQ)
Q1:遺言書に「全財産を別の場所に寄付する」と書かれていたら、配偶者は何ももらえないの?
A1:いいえ、もらえます。遺言書があっても、配偶者は最低限の取り分である「遺留分」に相当するお金を請求できます。
Q2:なぜ兄弟姉妹には遺留分がないの?
A2:民法1042条で、遺留分は「兄弟姉妹以外の相続人」に認められると定められているためです。兄弟姉妹は配偶者や子ども、親と比べて被相続人との関係が比較的遠く、遺産で生活を保障する必要性も低いと一般に説明されています。
Q3:遺留分の計算を間違えないためにはどうすればいい?
A3:相続人が誰であるかによって割合が変わるため、家族構成をしっかり確認することが大切です。
まとめと未来への提言
配偶者と兄弟姉妹が相続人となるケースでは、兄弟姉妹に遺留分がないため、配偶者の遺留分は「2分の1(半分)」と考えるのが一般的です。
SNSで飛び交う計算に惑わされず、もしもの時に備えて正しい相続の知識を身につけておきましょう。あなたの家族の場合、相続人は誰になるか、一度確認してみませんか?(ちゅいヨ!)
専門家としての一言(司法書士・1級FPの視点)
相続のトラブルや遺留分の計算は、相続人の構成によって複雑に変化します。遺留分侵害額の請求権は、相続の開始と遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年間行使しないと時効により消滅し、相続開始から10年を経過した場合も同様に消滅します(民法1048条)。そのため、早めの対応が大切です。誤った知識で判断せず、疑問を感じたら早めに専門家へご相談いただくことをおすすめいたします。

坂を負う人にまず寄り添い、大切な想いを明日の形へつなぐ司法書士(文鳥をこよなく愛しています)。
東京都西荻窪・吉祥寺エリアを中心に、司法書士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/民事信託士/上級相続診断士の4つの視点を持つ専門家として活動しています。
法務と資金計画の両面から、ご家族の「安心」と「納得」をワンストップでサポート。対面相談を大切にしつつ、オンラインで「東京の実家・不動産」に関する全国からのご相談にも対応しています。
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