
ROEは預けたお金をどれだけ効率よく増やしたかを示す、投資家が重視する指標です。
投資家の合格ラインは8%以上。日本企業もこの壁を越えるため必死に動いています。
こんにちは!相続専門の文鳥、ぶん吉です(ちゅいヨ!)。
みなさんは、もし自分の大切なお金を誰かに預けて運用してもらうとしたら、どんな人にお願いしたいですか?「預けたお金をちびちび使う人」よりも、「預けたお金を上手に使って、どんどん増やしてくれる人」の方が頼もしいですよね。
企業の世界でも、これと全く同じことが起きています。投資家は、自分が預けたお金をなるべく増やしてくれる企業を常に探しています。その時に、この会社は預けたお金を効率よく使えているかな?とチェックするための物差しが「ROE」なんです。最近は日本企業もこの数値を上げようと必死になっていて、ニュースでも毎日のようにこの言葉が飛び交っています。みんなにわかるように、その仕組みを紐解いていきましょう。

効率よく稼ぐ力とは?(ROEの基本)
ROEは「Return On Equity」の略で、日本語では「自己資本利益率」と呼ばれます。難しく聞こえますが、中身はとてもシンプルです。株主から預かったお金(自己資本)を使って、どれだけの純利益を出したかという「経営の効率」を表しています。
ここで、同じ5億円の利益を出している2つの会社を比べてみましょう。
企業Aは、50億円のお金を使って5億円の利益を出しました。対して企業Bは、100億円のお金を使って5億円の利益を出しました。この場合、企業AのROEは10%、企業Bは5%となります。同じ利益でも、少ない元手でしっかり稼いだ企業Aの方が、経営の効率が良いと評価されるのです。
株主からみた経営効率を示す。……株主から預かった以上、経営者は期待に応える責務を負う。
このように、経営者は預かったお金をいかに無駄なく使うかという、期待に応えるための重い責任を背負っているのですね。
投資家が求める「8%」という合格ライン
今の株式市場では、ROEが「8%」を超えているかどうかが一つの大きな分かれ道になっています。投資家は、自分のお金を預けるなら、最低でも年8%くらいは増やしてほしいと考えているからです。これを専門用語で「資本コスト」と呼びますが、この投資家の期待値に応えられない企業は、市場での評価がなかなか上がりません。
最近では、経営者がこの合格点を出せないと、株主から厳しい目で見られるようになっています。例えば、2024年のソフトバンクグループの株主総会では、孫正義会長兼社長の取締役再任への賛成率が79%にとどまりました。他にもサッポロホールディングスや京セラのように、物言う株主からプレッシャーを受ける会社も増えています。経営者のみなさんも、うかうかしていられない時代になったというわけだちゅい。
ROEを上げるための2つの作戦
企業がROEを上げるには、大きく分けて2つの道があります。
1つ目は、分子である利益を増やす作戦です。特に、工場などの大きな設備をあまり持たない、無形資産に強い企業はこの数値が高くなりやすい傾向にあります。ハローキティなどのキャラクターを世界で展開するサンリオは2025年3月期の予想でROE49%、人気ゲームを作るカプコンも同年同期でROE23%と、非常に高い数値を叩き出しています。
2つ目は、分母である資本を絞る作戦です。この戦略で驚異的な数値を維持しているのが、アメリカのアップルです。アップルは2025年9月期に莫大な利益を稼ぐ見通しですが、その多くを自社株買いに回して自己資本を増やさないようにしています。その結果、ROEは171%という驚異的な数字になっています。米国では、事業で稼ぐキャッシュフローが安定しているなら、自己資本を可能な限り圧縮して効率を高めるという財務戦略が広く浸透しているのです。
世界と日本の現在地
日本企業も頑張っていますが、世界と比べるとまだ伸びしろがあります。日本の主要企業のROE(過去3年の中央値)は9%ですが、米国は16%、欧州は13%と、欧米の企業の方が効率よく利益を生む力が強いのが現状です。
太田達之助・主席コンサルタントは「世界でみたときの合格ラインは15~20%」と指摘する。
こうした状況を受けて、日本企業も変わり始めています。例えばリコーは、2026年3月期の会社予想である6%という水準から、2031年3月期にはROEを10%以上にまで引き上げるという野心的な目標を掲げています。
よくある疑問(FAQ)
Q.ROEが高い企業は絶対に倒産しないの?
ROEはあくまでも、預かったお金をどれだけ効率よく使っているかを示す指標です。効率が良いことは素晴らしいことですが、それだけで倒産のリスクがゼロになるわけではありません。製造業のように大きな設備が必要な業種はROEが低くなりやすく、逆に形のない知的財産を扱う企業は高くなりやすいといった業種ごとの特性もあります。数字の高さだけでなく、その中身を見ることが大切です。
Q.自社株買いをするとなぜROEが上がるの?
ROEの計算式において、自己資本は分母にあたります。自社株買いをして手元のお金を株主に返すことで、この分母である自己資本が小さくなります。利益の額が変わらなくても、分母が小さくなれば計算結果としてのROEは高くなるという仕組みです。これは、限られた資本で最大限の結果を出すための、現代的な財務戦略の一つと言えます。
結び:これからの企業の見方
ROEを知ると、今までただの数字の羅列に見えていた決算ニュースが、この会社は預かったお金を大切に、かつダイナミックに使えているかな?という視点で読めるようになります。
これからは企業の利益の大きさだけでなく、その裏側にある稼ぐ効率にも注目してみてください。きっと、応援したくなる素敵な企業が見つかるはずだちゅい!
専門家としての一言(司法書士・1級FPの視点)
ROEの向上は、日本経済の活性化や私たちの資産形成において極めて重要な意味を持ちます。企業が資本を効率的に活用し、投資家の期待に応える成果を出すことは、株価の安定や配当の充実に直結します。個人の資産運用においても、その企業がどれだけ誠実に、そして効率的に資本を運営しているかをROEという指標を通じて見極める力が、安定した資産形成の鍵となるでしょう。

坂を負う人にまず寄り添い、大切な想いを明日の形へつなぐ司法書士(文鳥をこよなく愛しています)。
東京都新宿区・中野区を中心に、司法書士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/民事信託士/上級相続診断士の4つの視点を持つ専門家として活動しています。
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