
退職金を給料や積立年金に回し、若手採用と自律的な資産形成を促す企業が増えています。 会社任せの老後から、今の報酬を自分で運用して未来を設計する時代へ移行しています。
こんにちは!西荻窪・吉祥寺の相続専門の文鳥、ぶん吉です(ちゅいヨ!)。
吉祥寺の駅前でも、最近は新しいお店への入れ替わりが激しいですが、会社と社員の関係も同じように大きな変化の時期を迎えているようです。
みなさんは、定年を迎えたときに「退職金」がしっかりもらえると考えていますか?これまで日本の会社では、長く勤めれば最後にご褒美のようなまとまったお金がもらえるのが当たり前でした。
しかし今、その常識が揺らいでいます。化学メーカーのタキロンシーアイが「退職一時金」を廃止し、その分を今の給料に上乗せするというニュースが注目を集めました。これからの現役世代にとって、老後のお金はどうなっていくのか、一緒に考えていきましょうだちゅい。

退職金が「今もらえる給料」に変わった背景
タキロンシーアイは2024年4月、約1200人の全従業員を対象に退職一時金を廃止しました。これまで会社が「将来のために」と貯めてくれていたお金を、これからは「今の給料」や「自分で運用する年金(DC:確定拠出年金)」に振り分けることにしたのです。
具体的には、廃止した退職金の半分が毎月の給料アップに、もう半分がDCの掛け金に上乗せされます。
ここで専門的な視点から補足すると、今回の改革では「2%の割引率」が適用されています。これは「将来もらえるはずだった100円を、今もらうなら少し割り引いて98円にする」という考え方です。お金の価値は時間とともに変わるため、今すぐ受け取れる分、額面上は少し目減りしているという側面もあるんだちゅい。
会社がこの決断をした最大の理由は、若くて優秀な人を採用するための競争が激しくなっているからです。
今の学生や若手社員は、数十年後の退職金よりも「今の手取り」を重視します。実際にタキロンシーアイでは、2026年度の新入社員の初任給を前年より1万円高い25万5000円にする計画ですが、この引き上げ分の一部に、廃止した退職金の原資が使われています。
世代間で分かれた「喜び」と「不安」の声
制度変更にあたり、社員の反応は世代によって大きく分かれました。
資産運用に関心がある若手社員からは、「自由に使えるお金が今増えるのはうれしい」と歓迎の声が上がりました。一方で、定年が近いシニア層からは「会社に見放された気がする」「自分で運用しろと言われても困る」といった反発もあり、労使の話し合いは妥結まで1年に及びました。
この改革について、同社の内田人事総務部長は次のように述べています。
「会社がすべての面倒を見るのではない。社員ひとり一人が自覚をもって自身のライフステージに合わせた将来設計ができる、そんな会社と従業員の関係性を築きたい」
これは、会社が「親代わり」となって一生を守ってくれる時代が終わったという、厳しいメッセージでもあります。これからは会社に任せきりにせず、自分の将来を自分で守る覚悟が求められているのです。
これからの「会社とお金」の新しい関係
タキロンシーアイだけでなく、王子ホールディングスも新入社員の退職一時金廃止を決めました。制度が複雑で分かりにくく、社員のやる気につながっていないことが理由です。
かつての「終身雇用」を前提とした退職金制度は、転職が当たり前になった今の時代には合わなくなっています。数十年働かないと大きな恩恵を受けられない仕組みよりも、働いた分をその都度受け取る仕組みの方が、今の労働市場では透明性が高く評価されるようになっています。
会社がお金を預かってくれる時代から、自分で設計する時代へ。雇用の流動性が高まる中で、この動きはさらに広がっていくはずだちゅい!
よくある疑問
今までに積み立てた退職金
すでに積み上がっている退職金がどうなるのか、心配な方も多いでしょう。タキロンシーアイの例では、制度が変わるまでに積み立てられた分は、これまで通り退職時に受け取ることができます。過去の分が急にゼロになるわけではないので、その点は安心してください。
将来困らないための備え
給料が増えるのは良いことですが、それは「運用の責任も社員に移った」ことを意味します。確定拠出年金(DC)などは、運用の結果次第で将来もらえる額が元本を下回るリスクもあります。増えた給料をただ使うのではなく、資産形成の知識を身につけ、計画的に貯蓄や投資に回すことが不可欠です。
まとめと未来への問いかけ
退職金制度の見直しは、単なるコストカットではありません。時代の変化に合わせた「会社と社員の新しい契約」への一歩です。
将来の不確かな約束に期待するのではなく、今の報酬をどう活かして自分の未来を切り拓くか。そんな自律的な視点を持つことが、これからの現役世代には欠かせないスキルとなります。
みなさんなら、数十年後にもらえる大きな退職金と、今の手取りが増えて自分で管理すること、どちらを重視して働きたいですか?
専門家としての一言
司法書士・1級FPの視点からお伝えすると、退職金の給与化には注意点もあります。退職金として受け取る場合は税制上の優遇が大きいですが、給与として受け取ると所得税や住民税、社会保険料の対象となり、額面通りの得にならない場合があります。また、相続の際、退職手当金には「500万円×法定相続人の数」という非課税枠がありますが、給与として受け取り預金になっているとこの枠は使えません。目先の手取り増に喜ぶだけでなく、税金や将来の相続まで見据えたトータルな資産設計を心がけてください。

坂を負う人にまず寄り添い、大切な想いを明日の形へつなぐ司法書士(文鳥をこよなく愛しています)。
東京都西荻窪・吉祥寺エリアを中心に、司法書士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/民事信託士/上級相続診断士の4つの視点を持つ専門家として活動しています。
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