
こんにちは!西荻窪・吉祥寺の相続専門の文鳥、ぶん吉です(ちゅいヨ!)。
プロの提案なら安心だと思っていませんか?
「大手銀行が太鼓判を押したプランだから、税務対策も完璧なはずだ」。そう信じていた会社が、後から国税局に「その節税は認められません」と全否定されてしまう……。そんな衝撃的な事件の判決が、2026年5月に大阪地裁で下されました。
京都の老舗青果卸グループが行った組織再編が、実は「事業のためではなく、ただ税金を減らすことが目的だった」と判断されたのです。この裁判は、これからの節税対策のあり方を大きく変える「画期的な判決」として注目を集めています。プロが考えたはずの作戦が、なぜ失敗してしまったのか。みんなにわかるように解説します。

税金を減らすことが「主目的」だと判断されるとアウト
今回の裁判で大きな壁となったのが、「行為計算否認規定(法人税法132条の2)」というルールです。これは、たとえ手続き自体が法律の形式通りであっても、そのやり方が不自然で「税金の負担を不当に減らすこと」がメインの目的だと見なされた場合、国税局がその計算をなかったことにできるという強力なルールです。
裁判所は、今回のケースについて次のように厳しく指摘しました。
「今回の分割と合併は……税負担を減少させることを主たる目的とするものであった」
会社側は「事業再生のために必要だった」と主張しましたが、裁判所は、事業そのものの再建よりも「子会社が抱えていた過去の赤字(欠損金)を親会社の利益と相殺して、税金をタダにすること」を優先した不自然な動きだと見なしたのです。経営判断だと思って進めても、後から「税金逃れ」というレッテルを貼られてしまう怖さがあるのですね。
銀行とのやり取りが「証拠」になってしまった皮肉
この裁判で特に注目を浴びたのが、アドバイスをしていた「みずほ銀行」の存在です。銀行は会社に対して、なんと2700万円(税別)もの高額な手数料でコンサルティングを行っていました。
銀行側が提示した資料には、節税の効果が「約5億円の法人税効果」と具体的に示されていたり、赤字を引き継ぐルールに関する説明にわざわざ下線を引いて強調したりしていました。本来は心強いはずのプロの提案資料が、裁判では皮肉にも「この計画の主眼は、最初から節税だった」という決定的な証拠になってしまったのです。
高いお金を払って受けたアドバイスが、あとで自分に牙を剥くこともあるというのは、本当に恐ろしいことですね。
「事業と借金(赤字)」を切り分けるテクニックの限界
今回のスキーム(手法)は、赤字を抱えた子会社から「事業」だけを新しい会社に移し、元の会社には「赤字(欠損金)」だけを残して、その空っぽになった赤字会社を親会社が飲み込む(吸収合併する)という方法でした。
しかし、裁判所はこの動きにビジネス上の「合理的な理由」を見いだせませんでした。事業と赤字を無理やり引き離して税金だけを減らそうとする姿勢に、専門家からも厳しい声が上がっています。
「事業と欠損金を分けて税負担の減少を図るという助言内容は、あまりに稚拙でずさんだ」
単に会社を分けたりくっつけたりするだけでなく、そこに「ビジネスとしての必然性」がなければ、今の時代の厳しいチェックを通り抜けることはできないのです。
よくある疑問(FAQ)
Q:銀行のアドバイス通りにしたのに、会社が罰せられるの?
A:その通りです。銀行は「税理士」という税務の専門家としての資格を持ってアドバイスをしているわけではありません。実際に、みずほ銀行も「税務については専門家に相談するように」という逃げ道を作っていました。どんなに魅力的な提案を受けても、最終的な申告を行い、その責任を負うのは納税者である「会社」なのです。
Q:節税を考えること自体が悪いことなの?
A:いいえ、決してそんなことはありません。裁判所も「組織再編の場面で税負担を検討すること自体は問題ではない」とはっきり言っています。大切なのは、バランスです。ビジネス上の目的がしっかりあり、節税がその「副産物」であれば良いのですが、節税が「主役」になってしまうと、今回のように否認されるリスクが激増します。
まとめ:これからの時代に求められる「正しい対策」とは
今回の裁判は、目先の大きな節税額に心を奪われて、事業としての自然な形を失ってしまうことの危うさを教えてくれました(ちゅいヨ!)。どんなに華やかな節税プランであっても、「これは事業として本当に必要な動きか?」という原点に立ち返ることが、会社を守る唯一の方法です。
みなさんの会社の決断は、国税局から見ても「自然なもの」と言えますか?
専門家としての一言(司法書士・1級FPの視点)
今回の大阪地裁の判決は、金融機関が提供する高度な税務スキームであっても、法的リスクを免れるものではないという現実を改めて浮き彫りにしました。銀行はあくまでビジネスの提案者であり、税務判断の最終的な盾にはなってくれません。多額のコンサルティング費用を投じるような大規模な再編を行う際は、銀行の意見を盲信せず、必ず独立した立場にある複数の税務専門家にセカンドオピニオンを求めるべきです。多角的な視点で「事業上の合理性」を検証することこそが、現代の経営における最大の防御となります。

坂を負う人にまず寄り添い、大切な想いを明日の形へつなぐ司法書士(文鳥をこよなく愛しています)。
東京都西荻窪・吉祥寺エリアを中心に、司法書士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/民事信託士/上級相続診断士の4つの視点を持つ専門家として活動しています。
法務と資金計画の両面から、ご家族の「安心」と「納得」をワンストップでサポート。対面相談を大切にしつつ、オンラインで「東京の実家・不動産」に関する全国からのご相談にも対応しています。
相続・生前対策は、ご家族ごとの状況整理が解決への第一歩です。
対面でのご相談はもちろん、遠方にお住まいで「東京での手続きが必要」という方も、まずは初回30分無料相談をご利用ください。専門家がワンストップで伴走いたします。