
戸籍で男女を分ける運用は憲法14条の趣旨に抵触し是正が必要な「違憲状態」です。 具体的な表記の変更には国会による新たなルール作り(法律の整備)が必要とされました。
こんにちは!相続専門の文鳥、ぶん吉です(ちゅいヨ!)。
今日は、私たちの暮らしに欠かせない「戸籍」に関する、とても大切なニュースが入ってきました。法律の話と聞くと難しく感じるかもしれませんが、これからの社会のあり方を考えるヒントがたくさん詰まっています。みんなで一緒に、一歩ずつ紐解いていきましょうね。

これまでの戸籍と「自分らしさ」のズレ
日本の戸籍制度では、赤ちゃんが生まれたときに出される「出生届」の内容に基づいて、親との関係(続柄)が記載されます。現在は本人の意思に関わらず、実務上「長男」や「長女」といった形で、男女の区別がはっきりと記される仕組みになっています。
しかし、世の中には自分の性自認が男性・女性のどちらにも当てはまらない「ノンバイナリー」と呼ばれる方々がいます。今回、京都府に本籍を置く50代の方が「書類上の性別と自分のアイデンティティが一致しない」として、戸籍の「長女」という記載を、性別を感じさせない「子」や、出生順を示す「第2子」などに変更するよう求めました。
裁判所は、今の戸籍のあり方が「多様な性を尊重する」というLGBT理解増進法の基本理念に反していると指摘しました。この法律は、国が目指すべき現代の社会像を示した「物差し(基準)」です。その物差しに照らすと、今の戸籍の運用は、国自らが掲げた目標に追いついていないという、重い分析を示したのです。
裁判所が下した「違憲状態」という重い判断
今回の決定で最も注目すべきは、大阪高裁が現在の運用を「法の下の平等」を定める憲法14条の趣旨に抵触しており、是正(なおすこと)が必要な「違憲状態」にあると認めた点です。
「違憲状態」とは、いわば裁判所から国への「イエローカード」です。「今のままでは憲法違反になってしまうから、早くルールを改善してくださいね」という強い警告を意味します。大島雅弘裁判長は、決定理由の中で次のように述べています。
「戸籍上の性別の表示方法を変更する手段がない現状は、LGBT理解増進法の基本理念に反する」
自分らしく生きようとする人々の声が、司法の場で「正当な悩みであり、守られるべき尊厳である」と認められたことは、これからの社会にとって大きな希望の一歩といえるでしょう。
社会の基盤である「公共インフラ」という壁
これほど踏み込んだ判断がありながら、今回の訴え自体は退けられる(棄却される)結果となりました。その理由は、シンプルに言うと「戸籍は社会の最も基本的なインフラだから」です。
戸籍は、個人の身分を公的に証明するための極めて重要な仕組みです。そのため、記載のルールは全国どこでも一律で、誰が見ても同じ基準でなければなりません。裁判所が個別のケースごとに「この人だけは書き換えても良い」と判断してしまうと、全国のルールがバラバラになり、公的な手続きで混乱を招く恐れがあります。
つまり、ルールそのものを根本から変えるには、裁判所という場ではなく、国民の代表が集まり、社会全体の仕組みを整える「国会」で新しい法律を作ったり、今の法律を改正したりする手順が不可欠であるという理屈なのです。
これからの戸籍はどうなっていく?
今回の申立人の代理人を務める仲岡しゅん弁護士は、この決定を「ノンバイナリーの法的承認に向けた大きな第一歩」と前向きに評価しています。その一方で、現実の戸籍の記載がまだ変わっていないことから、最高裁判所へ判断を仰ぐ「特別抗告」を行う方針を明らかにしました。
戸籍は、単なる事務的な書類ではありません。私たちがこの社会で「自分として」認められ、生活していくための基盤です。多様な生き方が当たり前になる中で、戸籍はどのような姿であるべきでしょうか。誰にとっても居心地の良い社会をつくるために、私たち一人ひとりが考え、議論を深めていく時期が来ているのかもしれません。
よくある疑問(FAQ)
- 戸籍法に「男女を書きなさい」という明確な決まりはあるの?
厳密に言うと、戸籍法という法律自体には「実父母との続柄」を載せるようにとは書いてありますが、性別そのものを記載すべきという直接の定めはありません。しかし、戸籍法施行規則や実務上の通達によって、出生届の「男・女」の別に基づき「長男・長女」と書く運用が確立されています。今回の判断は、この「運用」そのものが今の時代に合わなくなっていると指摘したものです。 - 今回の判断で、明日から戸籍の書き方が変わるの?
残念ながら、明日からすぐに書き換えられるわけではありません。大阪高裁は、性別表記の変更には「制度的な枠組みの整備」が必要であるとしています。つまり、国会で法整備が行われるまでは、現在の運用が続くことになります。
おわりに
戸籍に刻まれる言葉が、誰かにとっての苦しみではなく、自分を証明する誇らしい印になる。今回の大阪高裁の判断は、そんな未来への大きな転換点になるはずです(ちゅい!)。
もし、あなたの「自分の確信しているアイデンティティ」と「国が管理する公式な記録」が食い違っていたら、あなたはどう感じるでしょうか。そのとき、あなたは法に「どちら」を優先して守ってほしいと願いますか?誰もが自分らしく、笑顔で暮らせる未来を、みんなで一緒に育んでいきましょう。
専門家としての一言(司法書士・1級FPの視点)
戸籍は身分証明の手段としてだけでなく、相続が発生した際の法定相続人の特定や、権利義務の確定において極めて重要な基盤となります。個人の尊厳を守るための柔軟な変更が求められる一方で、公的記録としての連続性や正確性を維持することも欠かせません。今回の高裁判断を大きな契機として、個人の権利を守りつつ、社会制度としての安定性を両立させるための慎重かつ迅速な立法議論が、国会において進むことが期待されます。

坂を負う人にまず寄り添い、大切な想いを明日の形へつなぐ司法書士(文鳥をこよなく愛しています)。
東京都新宿区・中野区を中心に、司法書士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/民事信託士/上級相続診断士の4つの視点を持つ専門家として活動しています。
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