
住宅ローンの返済期間が50年に急増中ですが、利息の総額が大幅に増えるリスクに注意 退職後も返済が続く可能性があるため、繰り上げ返済や資産運用をセットで考えましょう
こんにちは!西荻窪・吉祥寺の相続専門の文鳥、ぶん吉です(ちゅいヨ!)。
最近、住宅の価格が上がっているだけでなく、金利も上昇傾向にあります。そんな中で、これまでの「最長35年」という常識を打ち破る、40年や50年といった「超長期ローン」を選ぶ人が急増しているのを知っていますか?
「毎月の支払いが安くなるなら安心!」と思うかもしれませんが、実はそこには賢い文鳥も驚くようなリスクが隠れているんです。今日は、超長期ローンの実態と注意点をわかりやすく解説します(ちゅいヨ)。

35年ローンはもう古い?
今の住宅市場では、35年でローンを組むのはもはや「短い」部類に入りつつあります。
リクルートの調査によると、首都圏の新築マンション購入者のうち、返済期間を36年以上に設定した人の割合は、2024年の11.6%から2025年には32.6%へと、わずか1年で約2.8倍に跳ね上がりました。さらにMFS(モゲチェック)の調査では、2026年5月には全国ベースでこの割合が約33%に達すると予測されています。
三井住友トラスト・資産のミライ研究所のデータを見ても、かつては1~2%程度だった36年以上の利用率が、直近(2021~2025年)では9.1%まで急伸しています。
特に注目すべきは、この傾向が東京などの大都市圏以外でより強く出ている点です。地方では都市圏に比べて収入水準が控えめな一方、資材高や人手不足の影響で住宅価格は全国的に上昇しています。そのため、地方ほど「超長期返済で月々の負担を抑えないと家が買えない」という切実な状況に追い込まれているのです。
月々の支払いは減るけれど
返済期間を延ばす最大のメリットは、月々の返済額が下がることです。例えば、1億円を金利1%で借りた場合のシミュレーションを比較してみましょう。
・35年返済の場合:毎月の返済額は約28万円 ・50年返済の場合:毎月の返済額は約21万円
毎月7万円も負担が軽くなるのは魅力的ですよね。しかし、ここで冷静に「鳥の目」で全体を見てください。期間が15年延びるということは、その分だけ「利息を払い続ける期間」も長くなるということです。毎月の負担は25%ほど減りますが、最終的に銀行に支払う「お金を借りるためのコスト(利息総額)」は、35年返済に比べて数百万円、あるいは一千万円単位で膨らんでしまうのです。
リクルートの池本洋一氏は、この現状を次のように指摘しています。
「返済期間を延ばさなければ買えない状況を象徴している」
家を売っても借金が残る怖さ
超長期ローンには「元本がなかなか減らない」という特有の怖さがあります。住宅ローンの返済は、最初の数年間は支払額の多くが利息の支払いに充てられ、借りた元金自体は驚くほど減りません。
返済期間を50年に設定すると、元本の減り方はさらに遅くなります。もし数年後に、転勤や離婚、あるいは収入減などで家を手放さなければならなくなったとき、家の売却価格よりもローンの残高の方が多い「オーバーローン」の状態になるリスクが非常に高いのです。
三井住友トラストの矢野礼菜氏は、次のように警告しています。
「超長期返済でようやく家計が安定するという借り入れ自体に、高いリスクがある」
建物は住み始めた瞬間から価値が下がっていきます。元本が減るスピードが、建物の価値が下がるスピードに追いつかない。これが超長期ローンの最大の落とし穴です。
おじいちゃんになっても払い続けるリスク
もし20代で50年ローンを組んだ場合、完済するのは70代後半になります。
今の社会では、60代で定年を迎え、その後は再雇用などで収入が下がるのが一般的です。つまり、収入の柱が年金だけになる「おじいちゃん・おばあちゃん」になっても、現役時代と同じ重いローンを抱え続けることになります。
年金生活で数万円、十数万円のローンを払うのは至難の業です。このリスクを回避するには、現役のうちにしっかりと健康管理をして長く働ける体づくりをすることや、早めに完済するための資金準備が欠かせません。
納得して選ぶためのヒント
もし超長期ローンを組むのであれば、以下の対策をセットで検討してください。
・計画的な繰り上げ返済 収入が安定している現役時代に、少しずつでも元本を減らす計画を立てましょう。
・頭金をしっかり入れる 最初に借りる金額を減らせば、それだけ総利息を抑えられ、オーバーローンのリスクも軽減できます。
・物件条件の妥協案を探す 「どうしてもこのエリアのこの広さ」とこだわらず、築年数や立地を少し柔軟に考えてみてください。
35年以内の返済に収まる物件を探すことは、将来の自分へのプレゼントになります。
よくある疑問(FAQ)
Q:なぜ銀行は50年ローンなんて認めているの?
銀行は「返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)」で審査をします。期間を延ばせば年間の返済額が下がるため、審査に通りやすくなるのです。現在、約57.5%もの金融機関が50年ローンを導入しており、この1年だけで準備率は24ポイントも上昇しています。
Q:もう超長期ローンしか家を買う方法はないの?
決してそんなことはありません。新築にこだわらず中古物件をリノベーションしたり、少し郊外に目を向けたりすることで、35年返済の範囲で無理なく購入できる選択肢は見つかります。まずは「冷静になること」が第一歩です。
まとめ
住宅ローンは、家という「夢」を手に入れるためのチケットですが、同時に数十年後のあなたを縛る「契約」でもあります。
超長期ローンは、今の生活を楽にしてくれる魔法のように見えますが、その実は将来の自分に大きな負担を先送りしている側面があります。無理なローンで将来の選択肢を狭めてしまう前に、一度立ち止まってライフプランを練り直してみませんか?
あなたは、70歳を過ぎても今と同じ金額のローンを笑顔で払い続ける自信がありますか?
専門家としての一言(司法書士・1級FPの視点)
住宅ローンは、将来の資産形成や相続における権利関係にも深く関わる重大な決断です。返済期間が50年に及ぶ場合、その間に金利が上昇するリスクや、病気などによる生活環境の変化にさらされる期間も必然的に長くなります。 また、完済前に借主が亡くなった場合、多額の債務が相続人に引き継がれることになり、相続放棄を検討せざるを得ないなど遺族の負担になる可能性も否定できません。不動産に設定された抵当権という重い担保権が半世紀にわたって残る重みを理解し、老後資金や次世代への継承までを見据えた、無理のない返済計画を立てることが重要です。

坂を負う人にまず寄り添い、大切な想いを明日の形へつなぐ司法書士(文鳥をこよなく愛しています)。
東京都西荻窪・吉祥寺エリアを中心に、司法書士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/民事信託士/上級相続診断士の4つの視点を持つ専門家として活動しています。
法務と資金計画の両面から、ご家族の「安心」と「納得」をワンストップでサポート。対面相談を大切にしつつ、オンラインで「東京の実家・不動産」に関する全国からのご相談にも対応しています。
相続・生前対策は、ご家族ごとの状況整理が解決への第一歩です。
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