非上場株の評価が変わる?相続税の「魔法」が消える前に知っておきたいこと

国税庁が非上場株の評価ルールを見直し、過度な節税を封じます。 評価方法による4倍の格差を正すため、事業承継に大きな影響が出ます。

こんにちは!相続専門の文鳥、ぶん吉です(ちゅいヨ!)。

「うちの会社の株って、いったいどうやって値段が決まっているんだろう?」と不思議に思ったことはありませんか?実は今、その「値段の決め方」が大きな曲がり角を迎えているんです。

評価の方法によって「4倍」もの差がつく不思議

世の中に売り出されていない「非上場株」には、決まった値段(時価)がありません。そのため、相続のときには大きく分けて2つの計算方法で価値を決めます。

1つ目は「似ている会社と比べる方法(類似業種比準方式)」です。近所の似たような家の売り出し価格を参考にするようなイメージですね。 2つ目は「会社の貯金や持ち物で計算する方法(純資産価額方式)」です。こちらは、家を建てるのに使った木材や釘の代金を全部足して計算するようなイメージです。

2024年11月に公表された会計検査院の報告書によると、この2つの方法には驚くほどの差があることが分かりました。1つ目の「似ている会社と比べる方法」を使うと、2つ目の方法に比べて評価額が中央値で「4分の1」まで下がっていたのです。

特に1つ目の方法は、配当金や利益の額を操作することで、わざと株価を低く見せる「魔法」のような使い方ができてしまいます。

非上場株の評価額が実際の価値の10分の1になる例もある。3分の1や半分ぐらいはざらだ(国税OBの税理士)

このように、やり方次第で税金が不自然に安くなる実態が問題視されています。

なぜ今までのルールは見逃されてきたのか

このルールが作られたのは1964年のことです。その後、1980年代に入り創業者が引退する時期を迎えると、「スムーズな世代交代(事業承継)」を助けるために、あえて評価を低く抑えるような改正が繰り返されました。

1990年代以降、国も「これでは税金の負担が減りすぎる」と考えてルールを修正しようと試みましたが、結局大きな格差は残ったままでした。

もともとは「次世代に会社を繋ぎやすくしよう」という応援の気持ちで作られた仕組みでしたが、いつの間にかルールの隙間を突いた「税金逃れ」の道具として使われるようになってしまったのです。

伝家の宝刀「総則6項」の登場とルールの限界

あまりに極端な節税が行われたとき、国税当局には「それは不公平だ!」と判断して評価をやり直させる特別なルールがあります。これが「総則6項」、別名「伝家の宝刀」です。

この刀は、以前は「鞘(さや)に収まったまま」で、使われるのは年間0〜3件程度でした。しかし、最近は2023事務年度に6件と、抜かれる回数が増えています。

ところが、この刀を抜いても裁判で国が負けてしまうケースが出てきました。無理に刀を振り回す「一時的な応急処置」では限界があり、ルールそのものを書き換える「根本的な治療」が必要になったというわけです(ちゅいヨ!)。

これからの事業承継はどうなる?

これからルールが変わると、これまでのような極端な節税は難しくなり、相続税の負担が増える人が増えるでしょう。

非上場株の評価見直しが納税者に与える影響は、マンションの比にならないくらい大きい(国税関係者)

かつて話題になった「マンション節税」の規制よりも、今回のルール変更は社会にずっと大きな影響を与えると予想されています。

一方で、国は「事業承継税制」という、株の税金を猶予する別の仕組みも用意しています。しかし、今はまだ「条件が厳しすぎて使いにくい」という声が多いのが現状です。そのため、今後はこの仕組みをもっと使いやすくするなど、会社を守るための新しい工夫も検討されています。

よくある疑問(FAQ)

Q1: なぜ非上場株の値段は決まっていないの?
A1: 上場企業の株のように、誰でも自由に売り買いできる「市場」がないからです。そのため、国が便宜上のルール(物差し)を作って計算しているのですが、その物差しが実態とズレてしまっているのです。

Q2: 評価ルールが変わると、いつから税金が増えるの?
A2: 2024年11月に会計検査院が「ルールを正すべきだ」と報告したことで、国税庁が本格的な見直しに動き出しました。具体的な時期はこれからですが、そう遠くない将来に変わる可能性が高いです。

Q3: 自分の会社が対象になるか調べるにはどうすればいい?
A3: 会社の規模(売上や資産など)によって、どの評価方法を使うかが決まります。まずは専門家に「今のルールで計算するといくらになるか」を診断してもらうのが、一番の対策になります。

むすび

税金の仕組みは、時代に合わせて「より公平な形」へと姿を変えていきます。これまでの魔法のような節税策が使えなくなるのは大変なことですが、それは不公平をなくすための大切な一歩でもあります。

あなたは、自分の代が築いた価値を、次の世代にどう繋いでいきたいですか?(ちゅいヨ!)

専門家としての一言(司法書士・1級FPの視点)

非上場株式の評価見直しは、中小企業経営者にとって極めて重要な法改正となります。現行の評価方法と実態との乖離が是正されることは確実であり、今後は「評価の低さを利用した対策」から「納税猶予制度などを活用した正攻法の対策」への転換が求められます。制度が変わる前に現在の自社株評価を正確に把握し、中長期的な視点での事業承継計画を早期に立案することが不可欠です。

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