1000万戸の「名無しハウス」が日本を止める?法務省が動き出した未登記建物の実態

未登記の建物は全国に1000万戸以上もあり、震災復興の大きな妨げになっています。

法務省は2027年をめどに本格調査を開始し、登記官が直接情報を集める検討を始めます。

こんにちは!西荻窪・吉祥寺の相続専門の文鳥、ぶん吉です(ちゅいヨ!)。

みなさんは、自分の家がどこに、誰のものとして登録されているか、考えたことはありますか?西荻窪や吉祥寺のような、古くからの歴史がある住宅街を歩いていると、趣のある素敵な家がたくさんありますよね。でも今、日本中で「誰のものか公的に証明できない建物」が溢れかえっていることが、大きな社会問題になっているんです。

今回は、法務省の最新の推計をもとに、この「未登記建物」の実態と、私たちの暮らしにどんな影響を与えるのかについて、わかりやすく解説していきます。

膨大な所有者不明の建物の正体

法務省が全国の自治体を対象に実施したアンケートによると、驚くべき事実が判明しました。回答があった760自治体にある約3610万戸のうち、2割強にあたる約800万戸が「未登記」の状態だったのです。日本全体では、その数は1000万戸を超えると推計されています。

本来、建物を新築したときは、不動産登記法によって1カ月以内に「表題登記」をすることが義務づけられています。これによって建物の場所や構造、所有者の名前が公的に記録されます。

しかし、この義務を怠ったときの罰則は「10万円以下の過料」にとどまるため、これまであまり厳しく運用されてきませんでした。そのため、特に古い建物を中心に、登記がされないまま放置されてきたという背景があります。

未登記のまま放置すると、売却したいときに「空き家バンク」などの公的な仲介サービスが利用しにくくなったり、自治体が行う耐震診断や耐震化の支援対象から漏れてしまったりすることもあります。つまり、いざという時に「売れない」「守れない」リスクを抱えることになるんです。

復興のスピードを奪う大きな壁

登記がされていないことは、単なる手続きの忘れ物では済みません。災害が起きたとき、地域の安全を守る上での非常に深刻な障壁となります。

被災した建物を自治体が費用を負担して壊す「公費解体」という仕組みがありますが、これを行うには原則として「所有者の同意」が必要です。

法務省の資料でも、次のような課題が指摘されています。 「解体には原則として所有者の同意が必要となる。24年の能登半島地震では同意確認が難航し工事が遅れたケースがあった。」

登記がないと、誰に同意をもらえばいいのかを探す作業から始めなければならず、特定に数年かかることもあります。その結果、倒壊の危険がある建物の撤去が進まず、地域の復興がどんどん遅れてしまうのです。

動き出す法務省と未来の仕組み

この事態を重く見た法務省は、2027年をめどに未登記建物の実態調査を本格的に始める方針です。

これまでは自治体が人手不足の中で、膨大な時間をかけて課税台帳や住民票を突き合わせてきましたが、これは大きな負担でした。そこで検討されているのが、各地の法務局にいる「登記官」が、職権で自ら情報を集めて登記できるようにする仕組みです。

具体的には、自治体の課税情報との照合などが行われる予定です。ただし、国がすべてを肩代わりしてしまうと、「自分で申請するのが面倒だ」「国が勝手にやってくれるなら放置でいいや」といった、所有者の申請意欲を下げてしまう懸念もあります。そのため、必要な地域を絞るなど慎重に検討が進められています。

よくある疑問

Q1 毎年しっかり税金を払っていれば、登記はしなくても大丈夫ですか?

A1 公的な証明にはならないため、非常に危険です。 自治体は税金をとるために建物の存在を独自に把握していることがありますが、それはあくまで課税のためです。法務局に登記がないと、法的に「自分が所有者である」と第三者に証明できません。そのため、売却や融資、解体の手続きがスムーズに進まなくなります。

Q2 なぜ、これほど多くの建物が放置されてきたのでしょうか?

A2 罰則が軽く、メリットが伝わりにくい仕組みだったからです。 これまでは義務違反への罰則がそれほど厳しくなく、また古い建物の場合、登記に費用をかけるメリットを感じにくいという心理が働いてきました。しかし、空き家問題が深刻化する中で、その「放置」が社会全体の大きなコストになっています。

まとめと未来への問いかけ

未登記建物の問題は、個人の自由だけでは済まされない段階に来ています。人口が減っていく社会では、所有者がわからない建物があるせいで、街の再開発が止まったり、避難路となる道路の整備ができなくなったりと、地域全体の大きな負担になってしまいます。

もしあなたの家や実家が明日、突然の災害に見舞われたら、スムーズに公的な支援を受けられる状態になっていますか?未来の安全と街の活気をつなぐために、まずは自分の家の「名前(登記)」が正しく登録されているか、確認してみることから始めてみてくださいね。

ちゅいヨ!

専門家としての一言

不動産登記は、大切な財産を守るための「身分証明書」です。西荻窪や吉祥寺のような、代々大切に住み継がれてきた住宅密集地こそ、未登記のまま相続が繰り返されているケースが散見されます。

登記がない状態を放置することは、将来の親族間での相続トラブルの火種になるだけでなく、災害時に近隣へ迷惑をかけてしまうリスクを抱えることと同義です。不動産の価値を維持し、次世代に安心できる街を引き継ぐためには、まず現状の権利関係を正しく把握し、登記という「公的な記録」を整えることが、最も確実な相続対策の第一歩となります。

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