ケアマネが消える?「影の仕事」に振り回される介護現場の知られざる危機

ケアマネの「影の仕事」が限界。なり手不足で日本の介護は崩壊の危機にあります。 国は本来の業務に専念できる環境作りを急ぎ、役割の正しい周知が解決のカギとなる。

こんにちは!相続専門の文鳥、ぶん吉です(ちゅいヨ!)。

みなさんは「ケアマネジャー(ケアマネ)」という言葉を聞いたことがありますか?介護保険サービスを利用する際に、どんな助けが必要か計画(ケアプラン)を立ててくれる、いわば「介護の司令塔」です。

しかし今、このケアマネジャーさんたちが、本来の仕事ではない「名もなき業務」に忙殺され、パンクしそうになっているのをご存知でしょうか。今回は、介護現場で何が起きているのか、その裏側をわかりやすく解説します。

驚きの実態:本来の仕事を超えた「影の仕事(シャドーワーク)」

ケアマネジャーの本来の仕事は、サービス事業者や医療機関との連絡・調整、そしてケアプランの作成です。ところが今、現場ではそれ以外の「影の仕事(シャドーワーク)」が当たり前になってしまっています。

具体的には、生活保護の申請といった行政手続きの代行、成年後見人探し、さらには通院の同行や部屋の片付け、買い物支援、そして徘徊(はいかい)してしまった高齢者の捜索まで。これらは本来の業務範囲を超えており、しかも報酬が発生しない「無報酬のボランティア」として行われているケースがほとんどです。

「できるだけ引き受けないようにしたいが、目の前に困っている人がいると放っておけなくて……。介護現場は個々のケアマネの責任感に依存しているのが実情だ」 (岡山県倉敷市の41歳男性職員)

「医療機関の受診を拒む利用者を説得して付き添い、家族に代わって医師の説明を聞くこともある。断り切れずに引き受けた無報酬のボランティアで、やるべき仕事に十分な時間を割けない」 (埼玉県の50代女性職員)

このように、ケアマネジャーの「責任感の搾取」によって、なんとか現場が回っているという非常に危うい状態なのです。

データが示す危機:20年で受験者が6割も減った理由

日本の高齢化は進み、要介護の認定を受けた人は2023年度末で708万人と、制度が始まった2000年度から約3倍に増えました。それなのに、支え手であるケアマネジャーの数は減り続けているんです(ちゅいヨ!)。

実際、ケアマネジャーになるための試験を受ける人は、この20年で6割も減り、2025年度には約5万人にまで落ち込みました。 なぜ、これほどまでになり手がいないのでしょうか。

・資格のハードルが高くなった:2018年度から、介護福祉士などの「国家資格(国が認めた専門資格)」を持っていないと試験が受けられなくなるなど、条件が厳しくなりました。 ・過酷な労働環境:仕事の範囲があいまいで業務量が多く、そのわりに賃金や待遇が見合っていません。

日本介護支援専門員協会の2024年の調査では、現役ケアマネの17.9%が「辞めたい」と考えており、その理由の8割が「業務負担の重さ」を挙げています。このままでは、介護を受けたくても担当してくれる人がいないという事態になりかねません。

解決への一歩:国や自治体が動き出した「ケアマネを守る仕組み」

この深刻な状況を受けて、ようやく国(厚生労働省)や自治体が対策に乗り出しました。ポイントは、ケアマネジャーを「何でも屋さん」にしないための仕組み作りです。

厚労省は、部屋の片付けや買い物支援、徘徊時の捜索などを「地域課題」として切り分け、市町村が主体となって対応するよう求めています。具体的な支援策は以下の通りです。

・なり手を増やす:試験を受けるために必要な実務経験の期間を「5年」から「3年」に短縮することを検討。

 ・予算の投入:2025年度の補正予算に関連経費として14億円を計上し、自治体の支援を後押し。 

・サポート体制の整備:ケアマネが困ったときに相談できる窓口や、身の回りの世話を請け負う受け皿を都道府県が作る。

また、淑徳大学の結城康博教授は次のように指摘しています。

「利用者が介護の相談と日常生活の相談を混同していることが多く、本来業務の内容が十分に理解されていない」

私たち利用者側も「何でも頼んでいいわけではない」ということを正しく理解する必要があるんですね(ちゅいヨ!)。

まとめ:私たちにできること

ケアマネジャーが本来の専門性を発揮し、質の高いケアプランを作れる環境にすることは、巡り巡って私たち自身の老後を守ることにつながります。

「影の仕事」に押しつぶされて、プロフェッショナルたちが現場を去ってしまうのは社会全体の大きな損失です。行政の支援はもちろん大切ですが、社会全体でケアマネジャーの役割を正しく知ることが、危機の解決に向けた第一歩になります。

あなたが介護を必要としたとき、隣で支えてくれるケアマネさんがいなくなっていたら……?そんな未来にしないために、今、介護現場の声に耳を傾ける必要があるのです。

専門家としての一言(司法書士・1級FPの視点)

ケアマネジャーは介護保険法に基づき、利用者が自立した生活を送るための計画を立て、関係機関と連絡調整を行う専門職です。この本来の業務は、社会保障財源の適正な活用や、利用者の権利を守るための法的・制度的な基盤となります。

現在問題となっている「影の仕事」は、本来であれば行政サービスや司法書士等の専門職が担うべき、成年後見制度の利用支援や財産管理、生活支援の領域にまで及んでいます。ケアマネジャーがこうした業務外のボランティアに忙殺されることは、結果として遺産相続の準備や適切な権利擁護といった、真に専門性を要する場面での他職種連携を阻害する要因にもなり得ます。

介護現場の持続可能性を確保するためには、彼らの業務範囲を明確化し、法的・制度的な役割に専念できる環境を早急に整備することが不可欠です。

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