家族信託の失敗しない進め方|手続きの流れと必要書類

「失敗しない家族信託 8つのステップ」の解説図。
1.専門家への相談:最適な選択肢か比較・確認。
2.家族と財産の整理:家族構成と財産状況の把握、ゴールの明確化。
3.信託の「設計図」を作成:「誰が」「何を」「どう管理するか」を具体化。
4.家族会議で合意:関係者全員での内容共有と納得。
5.信託契約書の作成・確認:法的有効性と実用性のある契約書作り。
6.公証役場で契約を確定:公正証書化による証拠力と安全性の向上。
7.登記と口座開設:不動産信託登記や専用口座開設で仕組みを始動。
8.管理・報告・見直し:定期的な収支報告と状況に応じた見直し。

「親が元気なうちに、財産管理や相続の準備をしておきたい」
「家族信託が良いと聞くけれど、具体的な進め方や必要書類が分からない」

そんなお悩みをお持ちの方向けに、新宿の家族信託に強い司法書士シエンが、家族信託の進め方を「手順」と「書類」の両面から整理しました。

この記事でわかること
  • 家族信託を始める前に知っておきたい「全体の流れ」
  • 各ステップで何を決め、どんな書類が必要になるのか
  • 失敗やトラブルを避けるための注意点と、専門家に任せる部分

地域にお住まいの方も、遠方や海外からのオンライン相談をご希望の方も、「まずは何から始めればいいのか」がイメージできるようにお伝えします。

家族信託のカギは「順番」と「準備」

家族信託は、

  • 誰が財産を託す人(委託者)になるのか
  • 誰が管理する人(受託者)になるのか
  • 誰のために管理するのか(受益者)
  • どの財産を信託財産にするのか
  • 将来、誰にどのように引き継ぐのか

といったことを契約書で細かく決めていく、オーダーメイドの仕組みです。一度動き出すと「やり直し」が難しい部分も多いため、

  • 先に家族の希望・不安を整理する
  • 設計図(スキーム)を作ってから契約書に落とし込む
  • 必要書類をステップごとに漏れなく集める

という「順番」と「準備」が、失敗を避けるうえで非常に重要になります。

家族信託の手続きの流れ(8ステップ)

司法書士シエンにご相談いただいた場合をモデルに、一般的な流れを8つのステップに分けてご説明します。

初回相談・ヒアリング

現状把握と方針の整理

信託スキーム(設計図)のご提案

ご家族への説明・合意形成

信託契約書案の作成・内容チェック

公証役場での信託契約(公正証書)

不動産の信託登記・信託口口座の開設

信託開始後の管理・報告・見直し

それぞれのステップを、少し掘り下げてみます。

初回相談・ヒアリング

目的

  • 家族信託が本当に適切かどうかを確認
  • 遺言・成年後見・任意後見・財産管理契約など、他の方法との比較
  • 「何を一番叶えたいのか」を整理する
この段階でお伺いする主な内容
  • ご家族の構成(配偶者・お子さま・兄弟姉妹など)
  • 認知症・介護・相続トラブルなど、将来の不安
  • 自宅・賃貸不動産・預貯金など、財産の大まかなイメージ
  • すでに遺言や保険などの対策をしているかどうか

書類がほとんどなくても構いません。
まずは、状況とお気持ちをお聞かせいただくところからスタートします。

現状把握と方針の整理

目的

  • 家族構成と財産状況を整理し、どんなゴールを目指すかを決める
確認するポイントの例
  • 法定相続人は誰になるのか
  • 不動産や金融資産が、誰名義でどこにどれくらいあるのか
  • 将来の生活費・介護費用などをどの程度見込むべきか
  • 売却・建て替え・借り換えなどの予定があるか

司法書士としての法的視点と、1級FPとしてのライフプランの視点を組み合わせて、
「家族信託がベストなのか」「他の手段のほうが適していないか」も含めて整理します。

信託スキーム(設計図)のご提案

目的

  • 「誰が」「何を」「どのようなルールで」管理するかを具体化する
検討する主な内容
  • 委託者・受託者・受益者の設定
  • 信託財産に含めるもの(自宅のみ/賃貸不動産/預金の一部 など)
  • 売却・借り換え・大規模修繕など、受託者ができる行為の範囲
  • 受託者をチェックする立場(受益者代理人・信託監督人)を置くかどうか
  • いつどのタイミングで次世代へ承継させるか(二次相続までカバーするか など)

図やフローチャートを用いて、A4一枚で全体が分かる「設計図」になるように整理します。

ご家族への説明・合意形成

目的

  • 後々「聞いていない」「不公平だ」といった不信感を残さないようにする
進め方の一例
  • まずはご本人と受託者候補(長男など)で内容を固める
  • その後、「家族会議」のような場を設け、司法書士シエンが同席して制度を説明
  • ご家族からの質問や懸念点を、その場で一つずつ解消していく

このステップで丁寧に時間をかけるかどうかが、将来の相続トラブルの有無に大きく影響します。

信託契約書案の作成・内容チェック

目的

  • 法的に有効で、実務上も運用しやすい信託契約書を作成する
チェックするポイント
  • 公正証書にするかどうか(多くのケースで公正証書をおすすめ)
  • 受託者が続けられなくなったときの予備の受託者の定め
  • 受託者の報酬や、経費をどのように負担するか
  • 信託終了時のルール(誰に所有権を戻すか・どの登記をするか)
  • 既存の遺言・生命保険・生前贈与などとの整合

契約書の条文を読み合わせながら、「この一文は、将来こういう場面で効いてきます」といった形で意図をご説明します。

公証役場での信託契約(公正証書)

目的

  • 信託契約を公正証書にして、証拠性と安全性を高める
チェックするポイント
  • 公証役場に委託者・受託者が来所
  • 公証人が内容を読み上げ、本人の意思を確認
  • 署名・押印
  • 正本・謄本を受け取って終了

所要時間は内容にもよりますが、だいたい1〜2時間程度です。事前の原案調整や打合せは、司法書士シエンが間に入って進めます。

不動産の信託登記・信託口口座の開設

目的

  • 契約書の内容を、登記簿と金融機関の実務に落とし込み、「動く仕組み」にする
不動産を信託する場合
  • 所有者名義を「受託者(信託)」に変更
  • 登記簿に「信託目録」を付けて、信託の内容を明示
預貯金・証券などを信託する場合
  • 金融機関で「信託専用口座(信託口口座)」を開設
  • 以後、家賃収入や経費支出などをその口座で管理

ここまで完了すると、机上の設計図だった家族信託が、実際に動き始める段階になります。

信託開始後の管理・報告・見直し

目的

  • ルールに沿って運用されているかを確認し、必要に応じて微調整する
主なポイント
  • 通帳・帳簿による収支の管理
  • 年1回など、定期的な受益者・家族への報告
  • 税務申告が必要な場合の、税理士との連携
  • 結婚・離婚・死亡・海外移住など、家族の変化に応じた見直し

司法書士シエンでは、契約して終わりではなく、「続けられる仕組み」としての家族信託を一緒に伴走するスタイルを大切にしています。

ステップ別・必要書類チェックリスト

全部をいきなり揃える必要はありません。どのステップで何が必要になるかを知っておくだけで、負担はぐっと軽くなります。

初回相談〜ヒアリング段階で「あれば良い」もの

  • ご家族の関係が分かる簡単なメモ(手書きの家系図でもOK)
  • 不動産に関する書類
    • 固定資産税の納税通知書や評価証明書
    • 登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 預貯金・証券・保険などの大まかな一覧
  • すでに作成している遺言書や公正証書のコピー

これらがなくてもご相談は可能ですが、あると話が具体的に進みやすくなります。

信託スキーム設計のために必要になる書類

  • 委託者・受託者・受益者の
    • 住民票
    • 印鑑証明書
  • 不動産に関する書類
    • 登記事項証明書(全部事項証明)
    • 固定資産評価証明書
  • 預貯金・有価証券・投資信託など
    • 通帳のコピーや残高証明書
    • 証券会社の取引残高報告書

どの財産を信託に入れるかによって、必要書類は変わります。打合せの中で「このケースでは何が必要か」を個別に整理していきます。

公正証書作成に必要な書類(典型例)

  • 委託者・受託者の
    • 印鑑証明書(発行から3か月以内が目安)
    • 住民票
    • 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
  • 不動産関係
    • 登記事項証明書
    • 固定資産評価証明書
  • 公証人から求められた追加資料
    • 信託内容の概要図
    • 家族関係が分かる資料(相続関係説明図など)

具体的な必要書類は、公証人との打合せを通じて確定していきます。その調整も、司法書士シエンが窓口となって行います。

信託登記・信託口口座開設に必要な書類

不動産の信託登記

  • 信託契約書(公正証書)
  • 委託者・受託者の住民票・印鑑証明書
  • 固定資産評価証明書
  • 司法書士に依頼する場合の委任状

信託口口座開設(金融機関によって異なりますが、一般的には)

  • 信託契約書の写し
  • 受託者の本人確認書類・印鑑
  • 場合によっては、信託の概要資料や説明書類

「この銀行ではどうなるのか」といった実務的な部分も、事前に一緒に確認していきます。

家族信託で失敗しやすいポイントと対策

家族間の合意形成が不十分

よくあるケース
  • 長男を受託者にしたところ、他の兄弟が「優遇されている」と感じる
  • 親の本当の意向が共有されておらず、後から不信感が残る
対策
  • できる範囲で、ご家族全員に制度・メリット・デメリットを説明する場を用意する
  • 第三者である専門家が同席し、感情面も含めて調整する

税金の確認が不十分なまま契約してしまう

注意が必要な点
  • 信託財産の組み方によって、贈与税・相続税に影響が出ることがある
  • 不動産の売却・借り換えを前提とする場合、譲渡所得税なども関係する
対策
  • 個別の税額計算や申告は税理士へ
  • 司法書士シエンと提携税理士が連携し、法務と税務の両面からチェックする

「将来起こりうること」を契約で想定していない

よくある見落とし
  • 受託者が病気や高齢で続けられなくなった場合の備えがない
  • 二次相続(お子さんが亡くなった後)のことまで考えていない
対策
  • 予備の受託者(補充受託者)を定めておく
  • 家族構成の変化をある程度想定し、柔軟に対応できる条項を盛り込む

信託開始後の管理体制があいまい

よくあるお悩み
  • 通帳や帳簿の管理が場当たり的で、説明しづらい
  • 報告の頻度や方法が決まっておらず、家族から不満が出る
対策
  • 「年に1回、収支一覧を共有する」など、報告のルールをあらかじめ決める
  • 必要に応じて、継続的なサポート契約を検討する

司法書士シエンに家族信託を相談するメリット

司法書士シエンは、新宿区北新宿にある相続・家族信託に力を入れている事務所です。

特徴として、次の3つを重視しています。

  • 相続・不動産登記に強い司法書士としての「法的な安全性」
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士としての「お金の見通し」
  • 民事信託士としての「家族関係に配慮した仕組みづくり」

その結果、

  • 「認知症対策」「相続トラブル予防」「二世代・三世代を見据えた承継」
  • 「賃貸不動産の承継」「自宅を守りながら、老後資金も確保したい」

といったご相談にも、単なる制度の説明にとどまらず、ご家族のストーリーに沿ったご提案を行うことを大切にしています。

ご相談の流れ

  1. お問い合わせ(メールフォーム・お電話)
  2. 初回相談(対面またはオンライン)
  3. 現状整理・方針のご提案
  4. 信託スキームの設計・お見積もり
  5. 信託契約書の作成・公証役場での手続き
  6. 登記・口座開設などのアフターフォロー

費用については、ケースに応じたお見積もりを事前にご提示します。
税金の個別具体的な計算が必要な場合には、提携税理士をご紹介することも可能です。

「対面相談」か「オンライン相談」かをお選びいただけます

司法書士シエンでは、

  • 新宿近郊にお住まいの方向けの「対面相談」
  • 全国・海外在住の方向けの「オンライン相談(Zoom等)」

の両方に対応しています。

新宿周辺にお住まいの方へ(対面相談)

  • 実際に顔を合わせてじっくり話をしたい
  • 不動産の資料や図面などを一緒に見ながら相談したい

という方は、司法書士シエン(新宿区北新宿)の事務所での対面相談がおすすめです。
アクセス方法や地図は「事務所概要・アクセス」ページをご覧ください。

遠方・ご多忙の方へ(オンライン相談)

  • 大阪・福岡など、首都圏以外にお住まいの方
  • お仕事や介護で外出が難しい方
  • 海外在住のご家族と一緒に画面を見ながら相談したい方

には、Zoom等を使ったオンライン相談をご用意しています。全国どこからでも、スマートフォンやパソコンからご利用いただけます。

「まずは自分のケースで家族信託が合っているかだけ知りたい」
「遺言や任意後見とどう違うのかを比べてから決めたい」

といった段階でも構いません。
対面・オンラインのいずれか、ご都合の良い方法で、お気軽にご相談ください。

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