遺産分割協議がまとまらない時の対処法|調停・審判の流れ

揉めた遺産分割を解決する4ステップ。当事者間の話し合いが難航した際、専門家への相談、家庭裁判所での「調停」、最終的な「審判」へと進む公的な解決プロセスを解説したインフォグラフィック。

兄弟姉妹で遺産分割の話し合いをしているものの、
「感情的になってしまい、話が前に進まない」
「いつまで待っても印鑑を押してくれない相続人がいる」
「このまま揉め続けたらどうなるのか不安」

こうしたお悩みから「遺産分割 揉める」と検索されて、このページにたどり着かれた方も多いと思います。

東京都新宿区の相続・遺言専門「司法書士シエン」には、「今まさに遺産分割が揉めかけている」「兄弟間の対立が強くなってきて不安」というご相談が多く寄せられます。

一方で、司法書士には業務の範囲があり、すでに対立している相続人同士の間に入って交渉したり、誰かの味方として相手を説得したりすることはできません。

また、遺産分割調停そのものについても、当事務所では代理人として関与することはなく、調停・審判の結果を受けたあとの相続登記など、手続き面を中心にサポートしています。

このページで分かること
  • 遺産分割協議がまとまらないときの基本的な考え方
  • 家庭裁判所での「調停・審判」の流れ
  • 司法書士にできること/できないこと
    を整理しながら、「今、何をしておくとよいのか」の目安をお伝えします。

「遺産分割が揉める」ときによくある状況

遺産分割がまとまらない背景には、次のような典型パターンが見られます。

落ち込むぶんきち君
  • 連絡に応じない、話し合いの場に出てこない相続人がいる
  • 「生前に多く援助を受けた」「介護をほとんど一人で担ってきた」など、貢献度をめぐる主張が食い違う
  • 実家不動産を「売却したい人」と「残したい人」で完全に意見が分かれている
  • 親の預金の引き出し履歴をめぐって、「誰かが使い込んだのでは」と疑われている
  • 再婚家庭などで、前妻のお子さん・後妻のお子さんといった関係性から感情のもつれが大きい

こうした状態になると、「法律的にどう分けるか」という話以前に、感情的なしこりが大きくなり、同じ話を何度も繰り返すだけで前に進まない、ということが起こります。

その一方で、遺産分割を長期間放置すると、

  • 不動産が故人名義のままになり、次の相続が起きたときに関係者が一気に増えてしまう
  • 空き家の管理や固定資産税の負担だけが続く
  • 相続税の申告・納税期限(原則10か月)が迫る
    といった、別の問題も出てきます。

「とりあえず今は揉めているから」と先送りする前に、

  • どこまでを自分たちの話し合いで頑張るのか
  • どこからは家庭裁判所や弁護士の力を借りるべきか
    を冷静に整理しておくことが大切です。

遺産分割協議で押さえておきたい基本ルール

遺産分割がまとまらない場合でも、次の3つの基本ルールを知っておくと、今後の見通しが立てやすくなります。

1.遺産分割は「相続人全員の合意」が必要

遺産分割協議は、相続人全員が合意しなければ有効になりません。
一人でも反対したり、話し合いに参加していない相続人がいる場合、その協議は原則として無効になります。

「多数決で決めてしまう」「ハンコを押さない兄弟を抜きにして協議書を作る」といった方法は、後に無効を主張されるリスクが高く、避けるべきです。

2.話し合いの内容は必ず書面にする

「だいたいこのくらいの割合で」という口約束だけで終わらせてしまうと、時間がたつほど、

  • 記憶の食い違い
  • 解釈の違い

から、再び揉めるきっかけになりやすくなります。

具体的な分け方が決まったら、遺産分割協議書を作成し、相続人全員の署名・押印をしておくことが重要です。

3.放置すると、かえって状況が悪化することがある

  • 相続税がかかる場合、申告・納税の期限がある
  • 不動産が故人名義のままだと、将来さらに相続人が増え、話し合いが難しくなる
  • 空き家のまま放置すると、固定資産税や老朽化リスクが増える

「今は揉めているから、しばらく置いておこう」と考えてしまいがちですが、何もせずに時間だけが経つと、解決のハードルがむしろ高くなることも多い、という点は意識しておきたいところです。

解決に向けた選択肢と、司法書士ができること・できないこと

遺産分割協議がまとまらない場合、主な選択肢は次のように整理できます。

  • ① 当事者同士での話し合いを続ける
  • ② 専門家(弁護士など)に相談し、交渉や調停を依頼する
  • ③ 家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てる

このうち、司法書士が直接関われるのは、主に次のような部分です。

司法書士ができること(例)
  • 相続人や相続財産の範囲を整理し、「何を、誰と、どう分ける話なのか」を明確にする
  • 法定相続分や、一般的な遺産分割の考え方についての情報提供
  • 遺産分割協議の内容がまとまった後の、遺産分割協議書の作成や相続登記
  • 調停・審判が終わった後、その結果に沿った不動産の名義変更登記
司法書士ができないこと(例)
  • すでに対立している相続人同士の間に入って「調整役」として交渉すること
  • 誰か一方の立場に立って、相手方との条件交渉を代理すること
  • 家庭裁判所での遺産分割調停に、代理人として出席し主張・立証を行うこと

対立が明確な「紛争性のある案件」に踏み込んだ交渉や代理人活動は、弁護士の業務領域となります。
そのため、司法書士シエンでは、遺産分割の具体的な交渉や、調停・審判での代理業務には積極的には関与しておりません。

とはいえ、「そもそも自分のケースは、弁護士に依頼すべき段階なのか」「家庭裁判所に申し立てる前に、何を整理しておくべきか」といった点を一緒に整理することは可能です。

結果として弁護士へのご相談が必要と判断される場合には、その旨をお伝えしたうえで、当事務所は主に

  • 相続関係説明図や財産一覧の作成
  • 調停・審判後の相続登記

といった「手続き面」でのサポートを担当するイメージになります。

家庭裁判所での「遺産分割調停・審判」の流れ(概要)

ここからは、司法書士の関与とは別に、一般的な「家庭裁判所での手続き」の流れを整理しておきます。

◆ 遺産分割調停の概要

  • 管轄
    被相続人(亡くなった方)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所が原則です。
  • 申し立てる人
    相続人であれば、誰でも遺産分割調停を申し立てることができます。
    「話し合いに全く応じない相続人がいる場合」でも、他の相続人が申し立てることが可能です。
  • 手続きのイメージ
    調停委員会(裁判官1名+調停委員2名が通常)が、相続人それぞれの言い分を個別に聞きながら、合意の可能性を探っていきます。
    1回の期日は30分〜1時間程度で、1〜2か月ごとに数回開かれることが多く、全体で数か月〜1年程度かかるケースもあります。

調停はあくまで「話し合いの場」であり、ここで合意に至れば、その内容をまとめた「調停調書」が作成されます。
この調停調書は、判決と同じ効力を持ち、これに基づいて不動産の名義変更登記などが行われます。

◆ 調停で合意できなかった場合の「審判」

調停で合意に至らない場合、家庭裁判所は「審判」という形で、裁判所の判断を示します。

  • 審判では、法律や判例を踏まえて、裁判所が分け方を決定します。
  • 不服がある場合には、一定期間内に高等裁判所へ「即時抗告」をすることもできます。

審判まで進んだ場合、「誰か一人の希望どおり」という結論になることは少なく、全員にとって一定の妥協を含む内容になりがちです。

それでも、「一生決着がつかない」状態から抜け出すための一つの区切りとして、審判という選択肢が用意されていると理解しておくとよいでしょう。

なお、これらの手続きで代理人として相続人をサポートできるのは、原則として弁護士です。
司法書士シエンは、調停・審判の代理人としてではなく、手続きの全体像についての情報提供や、調停終了後の相続登記などを通じて関わる形になります。

実際の進め方のイメージが湧く事例

※以下はいずれもプライバシーに配慮したうえで内容を一部変更した事例イメージです。

事例1:新宿区在住・長男Aさん「揉める前に全体を整理し、家族だけの話し合いで解決」

新宿区在住のAさんは、「実家を売却して公平に分けたい自分」と、「しばらくは住み続けたい妹」の意見が食い違い、「このままいくと遺産分割が揉めるのでは」と不安になり、司法書士シエンにご相談にいらっしゃいました。

当事務所では、

  • 相続人と相続財産の全体像の整理
  • 実家不動産の評価額や今後の維持費の確認
  • 売却する場合/しない場合の大まかなシミュレーションといった「情報の見える化」を行いました。

その資料をもとに、Aさんご自身がご家族と改めて話し合いを行い、最終的には家族だけで遺産分割の内容がまとまりました。

合意後、司法書士シエンが遺産分割協議書の作成と相続登記を担当し、揉める前の段階でスムーズに手続きが完了したケースです。

事例2:中野区在住・二女Bさん「弁護士への依頼を決断し、その後の登記を司法書士が担当」

中野区在住のBさんは、兄弟との関係がすでに悪化しており、話し合いのたびに厳しい言葉の応酬になってしまう状況でした。

ご相談の中で状況を整理していくと、

  • すでに相手方に弁護士が就いている
  • 高額な財産が関係し、主張の対立も深いといった事情が見えてきたため、最終的にはBさんご本人が「感情面も含めて弁護士に間に入ってもらいたい」と判断され、弁護士への依頼を決断されました。

弁護士による交渉・調停を経て遺産分割が成立した後、司法書士シエンが、不動産の名義変更登記や関連書類の作成を担当し、実務面の手続きを完了させました。

事例3:杉並区在住・長男Cさん「審判まで進んだが、その後の手続きを滞りなく完了」

杉並区在住のCさんのケースでは、相続人の一人が遠方在住で、話し合いの場が持ちにくいこともあり、
結果として家庭裁判所の調停から審判へと進んでいきました。

審判で裁判所の判断が示された後、その内容に基づいて

  • 不動産の持分をどのように登記し直すか
  • 固定資産税の通知先をどのように整理するかなど、実務面の手続きが必要になりました。

司法書士シエンでは、審判書に沿って相続登記の申請を行い、名義変更後の登記事項証明書をお渡しするところまでをサポートしました。

Cさんからは、「審判の内容がどう登記に反映されるのかイメージしづらかったので、図にして説明してもらえたのが助かった」とのお声をいただいています。

司法書士シエンにご相談いただくメリットと限界

司法書士シエンにご相談いただくメリットと、あらかじめ知っておいていただきたい「限界」は、次のように整理できます。

メリット
  • 相続登記・遺産分割協議書作成など、最終的な「形」にする部分を見据えた整理ができる
  • 法定相続分や不動産の登記実務をふまえて、「どのような分け方なら手続き上スムーズか」をアドバイスできる
  • 相続税や将来の不動産の管理・売却なども視野に入れ、「長期的に見て無理のない形」を一緒に考えられる(税額の個別計算は税理士をご紹介・ご案内する形になります)
限界(できないこと)
  • すでに紛争性が高い案件で、相続人同士の間に入って交渉・調整を行うこと
  • 家庭裁判所の調停・審判における代理人業務(代理出廷や主張・立証の指揮)
  • 相手方と条件交渉を行う「代理交渉人」としての活動

したがって、

  • すでに相手側に弁護士がついている
  • お互いに内容証明郵便を送り合っている
  • 強い対立・紛争状態になっている

といった場合には、弁護士へのご相談が適切な段階に入っていると考えられます。

それ以前の、「これからどう動くべきか、自分の頭を整理したい」「遺産分割協議がまとまった後の手続きが不安」という段階であれば、司法書士へのご相談にも十分な意味があります。

対面でもオンラインでも、ご相談の第一歩としてご利用ください

司法書士シエンでは、

  • 東京都新宿区北新宿の事務所での対面相談
  • 全国どこからでも利用できるオンライン相談(Zoom等)

の両方に対応しています。

「兄弟間で遺産分割が揉めそうで不安」
「調停を申し立てるべきかどうか、まだ迷っている」
「将来の相続登記や不動産の扱いも含めて、全体像を整理しておきたい」

こうした段階であれば、一度お話を伺うことで、

  • どこから弁護士の出番になりそうか
  • どのタイミングでどの手続きが必要になりそうか

といった「今後の見取り図」を一緒に描いていくことができます。

なお、当事務所の業務は、

  • 遺産分割協議が整った後の相続登記・書類作成
  • 調停・審判が終わった後の名義変更登記

など、手続き面のサポートを中心としております。

具体的な交渉や調停代理が必要なケースでは、弁護士へのご相談・ご依頼をご検討ください。
そのうえで、「手続きの部分をきちんと任せたい」と感じられましたら、対面・オンラインを問わず、お気軽にお問い合わせいただければと思います。

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