日本企業の「配当バブル」が終わる?お金のプロが教える成長投資の新常識

企業は単なる「効率化」を卒業し、生き残りのための「成長投資」へ舵を切るべきです。 株主還元は欧米並みになりましたが、研究開発費の停滞が次の大きな壁となっています。

こんにちは!相続専門の文鳥、ぶん吉です(ちゅいヨ!)。

高い木の枝から街を見下ろしていると、日本の会社が「最高益を出した!」「配当を増やした!」と喜ぶ声が聞こえてきます。でも、ふもとで暮らす皆さんの給料はあまり増えていないみたい……不思議だと思いませんか?実は今、日本企業のお金の使い道が大きな曲がり角に来ているんです。

「会社は誰のもの?」「これからどうやって成長するの?」という疑問を、 sparrowの視点で分かりやすく解き明かしていきましょう。

「9倍増」の衝撃!企業のお金はどこへ消えた?

2000年度と比べると、日本企業が株主に払うお金(配当など)はなんと「9倍」にまで膨らみました。一方で、従業員の給料(報酬)は2割、工場などの設備投資は4割増に留まっています。

なぜ、こんなにお金の配り方が変わったのでしょうか?

  • 「株式持ち合い」の解消: 昔の日本企業は、会社同士で株を持ち合う「株式持ち合い(かぶしきもちあい)」という仕組みに守られていました。そのため、株主の顔色を伺う必要がなく、銀行の方ばかり向いて経営していたのです。
  • 市場重視へのシフト: 20年ほどかけてこの仕組みが壊れ、世界標準の「市場重視・株主重視」の経営に変わりました。

これまでは「世界に追いつくため」に必要な変化でしたが、少し極端に進みすぎてしまったのかもしれません。

日本はもう「欧米に遅れている」わけではない

「日本企業は欧米に比べて株主を大切にしていない」という話は、もう過去のものです。

  • 分配のデータ: 企業の稼ぎのうち、株主に回る割合は20年前の3%から、現在は15%まで上昇しました。
  • 欧州に迫る水準: ヨーロッパ諸国の約20%という数字に、かなり近づいています。
  • アメリカの数字の裏側: 統計上、米国は16%に見えますが、ここには「自社株買い(会社が自分の株を買い戻して価値を上げること)」が含まれていません。それを合わせれば米国はもっと高いのですが、日本も欧州並みには追いついているのです。

「もの言う株主」からのプレッシャーもあり、日本企業は十分に「効率化」を頑張ってきました。ですから、「欧米に追いつくために還元を増やす」という言い訳は、もう通用しなくなっています(ちゅい!)。

「引き算の経営」から「足し算の経営」へ

これまでの日本企業が得意だったのは、ムダを削る「引き算」の経営でした。儲からない事業をやめたり、不要な土地を売ったりしてお金を作り、それを株主に返すことで「効率が良い会社」に見せてきたのです。

しかし、日本共創プラットフォームの冨山和彦会長は、こうした姿勢に厳しい警告を発しています。

「還元にばかり走る企業の経営者は『有望な投資機会を見いだす能力はありません』と、自ら職務を放棄しているに等しい」

今、求められているのは「足し算」の経営です。手っ取り早く株主を納得させるための還元ではなく、新しいアイデアや技術に投資し、その成果として利益と還元を増やすことが本来の姿なのです。

「投資なき還元」が招く、空っぽの成長という危機

データを見ると、日本企業の深刻な課題が浮かび上がります。

  • 研究開発費の停滞: 売上に対する研究開発費の割合は、2%台のまま横ばいです。
  • 逆転現象: 2020年度ごろからは、なんと研究開発に使うお金よりも、株主への還元額の方が多くなっています。
  • 設備投資の横ばい: 新しい設備を作るためのお金(対売上比5〜6%)も、何年も伸びていません。

これを「投資なき還元」と呼びます。新しい技術を生み出す投資をせずに、ただ手元のお金を配っているだけでは、その会社に未来はありません。

まとめ

バブル崩壊後の反省から、日本企業は「ムダを削る」ことを徹底してきました。でも、削るだけのフェーズはもう終わりです。

これからは、不採算なものを整理しつつも、同時に「新しい価値を生むための投資」に重心を移さなければなりません。企業が新しい挑戦をして経済を豊かにし、その結果として株主も潤うという、健全な形に脱皮することが求められています。

皆さんは、目先の配当金だけをたくさんくれる会社と、10年後の未来を作るために新しい挑戦に投資する会社、どちらを応援したいですか?

 専門家としての一言(司法書士・1級FPの視点)

企業の経営方針が「投資なき還元」に偏ることは、中長期的な競争力の低下を招き、最終的には「資産の枯渇」に繋がります。これは単に株価の問題に留まらず、私たちの賃金停滞や、将来の相続財産となる資産価値の減少に直結する重大なリスクです。個人の資産形成や相続対策を考える上でも、目先の配当利回りだけでなく、その企業が次世代に向けた「成長投資」を健全に行っているかを見極める眼が、これまで以上に重要になっています。企業の健康状態が、私たち個人の将来の財産価値を左右するという視点を常に持つべきでしょう。

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