遺言書の種類と書き方|自筆証書遺言と公正証書遺言・デジタル公正証書遺言の違い

遺言書は「自筆証書遺言」「公正証書遺言(対面)」「デジタル公正証書遺言(オンライン)」の3つから選ぶのが現実的です。

迷ったら、まずは「揉めやすさ」と「手続きの確実さ」で判断します。

不動産がある・相続人が多い・再婚や前婚の子がいるなら、公正証書遺言(対面またはオンライン)が基本的に安心です。

新宿区の相続専門 司法書士シエンでは、司法書士・1級FP・民事信託士・上級相続診断士として、方式選びから文案作成、公証役場対応まで一貫してサポートします。

このコラムで分かること
  • 遺言書3種類の違いと、どれを選ぶべきか
  • 自筆証書遺言で無効になりやすいポイント
  • 公正証書遺言(対面)とオンラインの違い
  • デジタル公正証書遺言を使うための条件と注意点(2025年10月1日開始)
  • 遺言作成の手順、判断基準、落とし穴、よくある質問

1 遺言書の種類を選ぶ前に知っておくこと

1-1 遺言書は「家族のための段取り表」

遺言書は、亡くなった後に家族が迷わず動けるようにする「段取り表」です。

相続では、気持ちの問題と、手続きの問題と、お金(税金・生活費)の問題が同時に起きます。

遺言書があるだけで、家族の話し合いの負担や、手続きの遠回りが減ることが多いです。

1-2 司法書士シエンができることと、税理士領域の線引き

司法書士シエン(東京都新宿区)では、相続登記・遺言・家族信託・生前の名義変更など、法務の設計と実行を担当します。

相続税の申告や、個別具体的な税額計算、特例の最終判断は税理士の専門業務です。

当事務所では、資産と希望を整理して「遺言の設計図」を作ったうえで、顧問税理士がいる方は連携、いない方は提携税理士をご紹介し、無理のない流れにします。

2 遺言書の種類はこの3つで考える

2-1 定義

遺言書は、一般の方が選ぶなら次の3つで整理すると分かりやすいです。

  • 自筆証書遺言:本人が手書きで作る遺言
  • 公正証書遺言(対面):公証役場で公証人が作る遺言
  • デジタル公正証書遺言(オンライン):ウェブ会議等を使い、公正証書を電子で作る遺言(2025年10月1日から開始)

2-2 よくある誤解

「オンラインの遺言=新しくて一番よい」とは限りません。

オンラインは移動が不要になる一方で、環境準備や公証人側の運用確認が必要で、状況によっては対面の方が早いこともあります。

3 自筆証書遺言とは

3-1 メリット

  • 費用を抑えやすい(紙とペンで作れる)
  • 思い立ったときに作れる、書き直しやすい
  • 内容を誰にも知られずに作りやすい

3-2 デメリット

  • 形式ミスで無効になるリスクがある(特に日付・署名押印・書き方)
  • 自宅保管だと、紛失・破棄・改ざんの不安が残る
  • 相続開始後に家庭裁判所の検認が必要になることが多い(法務局保管を使うと不要になる)

3-3 向いているケースの目安

次のような方は、自筆証書遺言が合いやすいです。

  • 財産が比較的シンプル(預貯金中心、不動産が1つだけ等)
  • まずは「たたき台」として自分の希望を文章にしたい
  • コストを抑えつつ、専門家チェックは入れたい

3-4 イメージしやすい例

例:相続人が配偶者と子2人。財産は自宅1つと預貯金。

この場合、まず自筆で希望を書き、司法書士が内容と形式を整え、最終的に公正証書へ切り替える、という流れも現実的です。

4 公正証書遺言(対面)とは

4-1 メリット

  • 形式ミスで無効になりにくい(公証人が確認する)
  • 原本は公証役場で保管され、紛失や改ざんの不安が小さい
  • 相続開始後の検認が不要で、相続手続きに入りやすい

4-2 デメリット

  • 費用がかかる(公証人手数料+専門家サポート費用等)
  • 平日日中に公証役場へ行く必要があることが多い
  • 証人2名が必要で、手配が負担になる場合がある

4-3 向いているケースの目安

  • 不動産が複数ある、賃貸不動産がある
  • 相続人が多い、疎遠、再婚、前婚の子がいる
  • 「確実に通る遺言」にしたい、家族の手間を減らしたい
  • 認知症リスクが気になるので、早めに固めたい

4-4 イメージしやすい例

例:自宅は配偶者が住み続け、賃貸アパートは子が引き継ぐ。

こうした「不動産が絡む分け方」は、言葉が少し違うだけで誤解が生まれます。公正証書で条文として整えると、後の揉めごとが減りやすいです。

5 デジタル公正証書遺言(オンライン)とは

「オンラインで可能に!公正証書遺言の新しいカタチ」のインフォグラフィック。デジタル公正証書遺言のメリット(移動負担や費用の削減、作成件数の増加)と、手続きの流れ(申請・ウェブ会議・電子署名)および厳格な本人確認ルールを図解。

5-1 定義

デジタル公正証書遺言は、公正証書遺言の信頼性はそのままに、申請や打ち合わせ、作成の一部をオンライン(ウェブ会議等)で行い、公正証書を電磁的記録(電子データ)として作成する仕組みです。

2025年10月1日から公正証書手続のデジタル化が開始されています。

5-2 オンラインで「変わること」「変わらないこと」

変わること

  • 公証役場へ毎回行かずに進められる場面が増える
  • 公正証書の原本が電子データで作成・保管される仕組みになる

変わらないこと

  • 公正証書遺言としての効力や安心感は同じ
  • 本人の意思確認は厳格(むしろ慎重)
  • 証人が必要な点など、基本構造は大きく変わりません

5-3 注意点

  • 公証人が「相当」と判断した場合に利用できる運用があり、希望すれば必ずオンラインになるとは限りません。
  • 開始直後は、対応する公証役場や指定公証人が限られる可能性があるため、事前確認が重要です
  • ネット環境、本人確認資料、機器準備が必要です(「移動の負担」と「ITの負担」を天秤にかけます)。

5-4 向いているケースの目安

  • 新宿区から離れた場所(地方・海外)に住んでいて、公証役場へ行きにくい
  • 入院中、施設入所中などで外出が難しい
  • 家族(証人候補)も遠方で、日程調整が難しい
  • それでも公正証書遺言の確実さは確保したい

6 どれを選ぶべきかの判断基準

「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の比較チャート。費用、法的リスク(無効の可能性)、死後の手続き(検認の要否)、推奨ターゲットの4点において、手軽な自筆証書と確実な公正証書の違いを図解している。

6-1 判断基準チェックリスト

次に当てはまるほど、公正証書遺言(対面またはオンライン)を優先すると安心です。

  • 不動産がある(自宅、賃貸、共有名義を含む)
  • 相続人が3人以上、または関係が複雑(再婚、前婚の子、疎遠など)
  • 「分け方」に偏りが出る(特定の子に不動産を集中等)
  • 認知症リスクが気になる、健康に不安がある
  • 家族に手続きを丸投げしたくない(負担を減らしたい)

一方、次に当てはまるなら、自筆証書遺言+専門家チェックでも進めやすいです。

  • 財産が預貯金中心で、分け方も単純
  • まずは考えを整理したい、頻繁に修正する可能性がある
  • 費用を抑えたいが、最低限の安全策は取りたい

6-2 現場感としての結論

「揉めたくない」より正確には「揉める余地を減らしたい」なら、公正証書遺言が基本的に強いです。

逆に、自筆証書遺言は「気軽さ」が強みですが、気軽さの裏に「無効」「読めない」「特定できない」という落とし穴が出やすいです。

7 遺言作成の手順

7-1 全体の流れ

財産を棚卸しする
  • 不動産(所在地、地番、家屋番号)
  • 預貯金(銀行名、支店、口座種別)
  • 有価証券、保険、退職金見込み
  • 借入金や保証などのマイナスも含める
家族関係を整理する
  • 誰が相続人になるか
  • 前婚の子、養子、認知の有無なども確認する
「誰に何を渡すか」を決める
  • 不動産は「誰が住むか」「売るか」「持つか」まで決めると揉めにくい
  • 公平と納得は別物なので、理由も一緒に考える
方式を決める(自筆/公正証書対面/オンライン)
  • 移動の負担、ITの負担、確実さ、費用で比較する
文案を作る
  • 自筆なら、形式ミスが出ない書き方にする
  • 公正証書なら、公証人が読みやすい形に整える
必要書類をそろえる
  • 戸籍、住民票、登記事項証明書、評価資料など
  • オンラインの場合は本人確認資料や環境準備も追加で必要になることがあります
作成し、保管方法まで決める
  • 自筆は「自宅保管」か「法務局保管」を選ぶ
  • 公正証書は公証役場保管を前提に、正本等の管理者も決める

8 相続でよくある失敗(落とし穴)

8-1 自筆証書遺言の落とし穴

  • 日付があいまい(「◯月吉日」など)
  • 財産の特定が弱い(銀行・支店・口座が不明、土地建物の特定が不十分)
  • 訂正方法が雑で、後から争点になる
  • 自宅保管のまま、家族が見つけられない/勝手に開封して混乱する

8-2 公正証書遺言(対面・オンライン共通)の落とし穴

  • 「証人がいない」「日程が合わない」で先延ばしになる
  • 内容を急いで固めて、家族への説明が不足する
  • オンラインを選んだが、環境準備が大変で結局遅れる
  • 公証役場の運用差を確認せず、直前でやり直しになる

8-3 共通の落とし穴

  • 節税ばかり意識して、住む人・介護する人・生活費の現実が置き去りになる
  • 遺言だけで足りるのに、複雑な制度を重ねて家族が運用できなくなる

ここは、1級FPと民事信託士の視点で「実行できる設計」に戻すのが大事です。

9 よくあるご質問

Q
遺言書がないとどうなりますか?
A

相続人全員で遺産分割の話し合いが必要になり、不動産があると手続きが止まりやすくなります。

Q
自筆証書遺言は、専門家に頼まないと作れませんか?
A

自分で作れます。ただし形式ミスが出やすいので、チェックだけ依頼される方も多いです。

Q
自筆証書遺言を法務局で預かってもらうと何が違いますか?
A

家庭裁判所の検認が不要になるなど、相続開始後の手続きが進めやすくなります。

Q
公正証書遺言は費用が高いのが不安です。
A

争いの予防や、相続開始後の手間削減まで含めて比較すると、結果的に負担が小さくなるケースもあります。見積もり前に、必要な範囲を整理します。

Q
デジタル公正証書遺言は、誰でもオンラインで作れますか?
A

希望しても、公証人が相当と判断しない場合は対面になることがあります。運用も含め事前確認が必須です。

Q
オンラインなら、全国どこの公証役場でも同じですか?
A

開始直後は対応状況に差が出る可能性があるため、指定公証人や対応状況を確認します。

Q
証人は誰に頼めばいいですか?
A

ご家族以外の手配も含め、状況に応じて現実的な方法をご案内します(内容をどこまで知られてよいかも一緒に整理します)。

Q
遺言に書いたとおりに、必ず相続は進みますか?
A

原則は遺言が優先されます。ただし遺留分など、別の調整が必要になることがあります。早めに設計しておくと対処しやすいです。

Q
遺言と家族信託はどちらがよいですか?
A

目的が違います。認知症に備えた「生前の管理」が必要なら家族信託が強く、亡くなった後の分け方を固めるなら遺言が基本です。組み合わせも可能です。

10 新宿区での対面相談と、全国からのオンライン相談

司法書士シエン(東京都新宿区北新宿)では、対面でのご相談に加え、Zoom等で全国からのオンライン相談にも対応しています。

  • うちの家族ならどの方式が合うか、遺言方式診断をしてほしい
  • 自筆で書いたが不安なので、無効にならないかチェックしてほしい
  • 公正証書遺言(対面/オンライン)にしたいので、文案作成と公証役場調整を任せたい

こうした段階からで大丈夫です。まずは「家族と財産の整理」から一緒に進めましょう。

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